この世は平凡ばかり。



ある人間は思った。
"退屈ばかりな世界はいらない"と。
そしてある管理者は思う。
"予定調和だらけの矛盾したツマラナイ世界を見るのは飽きた"と。





二つの願いは重なり、喜劇を喚ぶ。
だが、その喜劇はイビツに歪む。
イビツに歪み、世界に波紋を広げる。




大切に大切にされる世界。


歪みに変貌した世界。


忌み嫌われ、疎まれた世界。


裏切られ、復讐する世界。


愛することを、愛されることを知らない世界。


平和で平凡で凡庸な世界。


ゆらゆらと'表'と'裏'を揺らめく世界。


どこか欠けてしまった世界。


次元と狭間の境界を越えてしまった世界。


そして、混ざり合い混沌した世界。



気紛れに巻き起こす一連事物の世界。






世界として数えられない小さな亜空間。




突然現れた空間。

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