ガチでただの少女漫画(通常営業ry。な兵伝こばなし。
2013.05.08 Wed 23:36
*「カラクリうちわの段」 より妄想。と色々捏造含みますよっと。
「なっ、、、、、、んでお前もおちてくるんだよ!!」
軽いかけ声と共に落下して軽々と座布団に着地した兵太夫に、伝七は大きな瞳をいっぱいに開いて突っ込んだ。
「どうする気だよ!!どうやって上がるんだよ!!てゆうかなんなんだよこのカラクリ!!何でこんなの部屋に作ってんだよ!!これだから阿呆のはは!」
「っるっさいなぁあこんな狭いとこでキャンキャン鳴かないでよ耳がおかしくなるっていうかいきなり用心もせず入ってくる方も忍のたまごとしてどうなのっていうかまず罠なんかかかる方が悪いんじゃないの?」
「そ、それは、、、ってえぇええええ!?」
伝七が言葉に詰まっていると上の方でガタンと音がした。床板が徐々に元に戻り、穴が段々と暗くなる様に伝七が大声を上げる。
「うるさいよだからこんな狭いとこで、」
「だだだってどうすんだよ!!床が!!あっ、あぁあああ、、、」
伝七が叫んでいる内に床板は完全に元に戻り、穴内は暗闇に包まれてしまう。何も見えなくなった伝七は軽くパニックに陥った。
「な、、、え、え、ど、どうしようっ、どうし、」
「落ち着きなよ。もうすぐ三ちゃんも委員会から戻ってくるだろうからそしたらすぐ気付いてくれるよ」
「落ち着けってそもそもお前何がっ、」
と、不意に触れた温もりに伝七の言葉が途切れる。見えてはしないが確かに手に感じるそれに手を繋がれているのだということを伝七は認識した。
「ほら、落ち着いた?」
「な、何勝手にっ」
「こうしたら真っ暗でも怖くないでしょ」
「別に怖くなんか、」
「安心しなよ、ちゃんと戻れるから」
「だから僕は別に、、、」
もごもごと口ごもる伝七の手を引き、兵太夫は伝七を座らせた。
「、、、」
「、、、」
2人の間に沈黙が下りる。繋がれたままの手に、伝七は気恥ずかしさというか、なんとなくもぞもぞするような感じがした。気にはなるがしかし、離すと心細いのも事実で、伝七は意識をそらす為に「てゆうか、」と口を開いた。
「さっきは本当に何で落ちてきたんだよ」
「んー?何となく?」
「何となくってお前な、、、僕を巻き込むなよな、、、僕のこと嫌いなのはわかるけど、嫌がらせも大概にしろよ」
はあ、とため息をつく伝七を、兵太夫は瞳を見開いてじぃいと見つめた。
「、、、何、」
視線を感じて伝七も兵太夫を見やる。
大分目慣れた暗闇のなか、うすぼんやりと見える兵太夫のまっすぐな瞳に、伝七はびくりとなった。
「、な、」
「別に僕はさ、お前のこと嫌いなわけじゃないんだけど」
「へ、」
思わぬ言葉に伝七がきょとりと瞳を瞬かせる。
「何かあったら『これだからは組は』とか馬鹿の一つ覚えかよとかやたら優秀さ自慢してきて嫌味ったらしいなとかその割にビビりでへたれで何より超絶泣き虫で実践弱くて口ばっかりだなとか外見くらいしか良いとこないなとかは思うけど」
「っておい!さっきから悪口しか出てな、」
「別に伝七のこと、嫌いじゃないよ?」
「な、は、」
きゅ、と伝七の手を握る兵太夫手に力が籠もる。
その力に、変わらずそらされない瞳に。どくり、と伝七の心臓が大きく鳴った。
「伝七は、僕のこと嫌い?」
「え、、、」
兵太夫の問いに伝七の心臓がまたどくりと跳ねる。どくどくと心臓が身体中に五月蝿く鳴り響く。何故こんな風になっているのかわからなくて、どうしたらいいか分からない。伝七は酷く混乱した。
「ぼ、くは――、」
そうして、伝七が口を開きかけた、時――。
「誰かと思えば伝七?」
ガタン、と音がして床板が動き、三治郎がひょこりと顔を出す。途端に伝七はぱっと手を離した。
「ってあれ?兵ちゃんも落ちちゃったの?」
「んー、まあね」
「伝七、顔赤いけど大丈夫?風邪?」
「な、中暑かった、からっ」
「ふぅん?」
三治郎に縄で引っ張り上げて貰うと、伝七は「じゃあ、」と言ってばたばたと慌ただしく部屋を出て行った。
「、、、もしかしてー、」
その後ろ姿を見送って、三治郎はにっこりと兵太夫に笑いかけた。
「おじゃまでした?」
「、、、べつにー」
「兵ちゃんも顔赤いけど」
「、、、中暑かったんだよ」
「はーいはい」
あはは、と笑う三治郎に兵太夫はちょっと眉を寄せた。しかし指摘された事実に、胸のうちに在る思いに。兵太夫は内心狼狽していた。
(ああもう何なのこれ。もう少し手を繋いでいたかったとかああしてたいとかあの答えを知りたいとか、一体何なの)
我知らず顔をいっそう赤らめる兵太夫に、三治郎は「せいしゅんてやつ?」と言ってまた笑った。
終わりだよ!
こういう初々しいのもありかなというか最初はこんなもんかなとかね!しかしほんただの少女漫画(ry。
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