巻き込み転生トリップ成り代わりin刀剣
2016.07.10 Sun 22:58
巻き込み転生トリップ成り代わりの設定。
in刀剣。
最初はこんなんだろうなーと。
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ふと目を開いたら、何やら妙な格好をした子供たちが、覗き込むようにこちらを見ていた。
「……………。」
ぱちり、ぱちりと瞬くと、子供たちも同じようにまばたきをする。
しばし見つめ合った後、その中の一人がおずおずともみじの手を伸ばしてきた。
「あるじさま……、だいじょうぶ、ですか?」
「……あぁ?」
額に当てられた手はひんやりしていて、途端に思考がクリアになる。
がばっと体を起こせば、ぶつかりそうになった子供たちがぴゃっ!と奇声を上げて飛び退いていった。
「こ、こは、」
寝かされていたらしい分厚い布団。青々とした広い畳。部屋の外に見える日本庭園。
それらは最初の世界で見慣れたものだったが、戻ってきたわけではないことははっきり分かった。
「……またかよ!!」
思わず頭を抱えて、承太郎は布団の上に身を伏せた。
周りを取り囲む何人かがわたわたと慌てていたが、とりあえず危険はなさそうだったので放置した。
もうこれで何度目になるだろう。いいかげん慣れてしまった自分が哀しい。
最初の世界で天寿を全うした後、どういうわけかおかしな旅に付き合わされる羽目になった彼は、突然知らない場所で目覚めることについてはベテランになってしまった。
まさに異世界一周旅行である。終わりはさっぱり見えない。
これまでの経験では、母親の腹の中から意識があったり突然青年として目覚めたりと様々なパターンがあったが、今回は後者らしい。
おまけに、何か重要な局面で覚醒してしまったオプション付きだ。このオプションはとても面倒くさく、まだ敵の只中に落ちる方がましだった。なぜなら拳で語ることが許されるから。
今までで一番困ったのは、時の権力者……ありていに言えば帝、の眼前に伏した状態で覚醒した時だった。
それはもう、話は分からないわ作法は分からないわで、顔を上げることすら難しかった。あれはもうやめていただきたい。
蹲ったまま、思わず遠い目をした承太郎を、誰かが屈んで覗き込んできた。
「あるじさま……くるしいの、ですか?おきちゃだめですよぅ……」
眉を下げてこちらを見つめるのは、赤い目と薄い髪色をした子供。平安時代を思わせる衣装や鎧を着けている。
ふと、その姿に既視感を覚えて記憶を探る。彼女がわあわあ騒いでいたあれはなんだったか……マンガ?アニメ?ゲーム?
「……あ、」
「?」
「『いま、つる』?」
「!!!」
『いまつるちゃん可愛すぎか!』のフレーズで浮かんだ名前を漏らすと、赤い目の子供がパアッと喜色を浮かべた。
「ぼく!それぼくのなまえです!あるじさま、ぼくがわかるのですね!?」
「い、いや、」
「なんと!?確かに主さまの記憶は失われたと、データにも出ているはず!?」
「きおくがなくても、あるじさまはぼくのことをおぼえてる……!」
「愛!それは愛なのですかー!」
耳元でわめき出した子供と狐(?)に、承太郎は『やかましい!』と一喝しかけた口を辛うじて閉じた。
歓迎されているようだし、それでなくても幼い子供を怖がらせるのは本意ではない。桁外れにうるさいけれども。
興奮冷めやらぬ喧噪から耳を離しながら、助けを求めて辺りを見回すと、それを合図に遠巻きに見ていた子供たちが近づいて来た。
「あ、あの……主様……あのっ、あのっ」
「大将……!お、俺は!?」
「ボクだって分かるよねっ?」
「俺も俺もー!忘れたりしてない!?」
ちんまいのが先を争って身を乗り出してくるのにのけぞりながら、仕方なく記憶の糸を手繰る。
「……、ごこ、やげん、みだれ、ほたる」
「「「「!!!」」」」
『控えめに言って天使』『おまえのような短刀がいるか(誉め言葉』『あざとかわいい』『おまえのような大太刀が(略』
忘れるはずもない声が脳内で響いて、可愛い可愛いと誉めすぎてスタンドと子供たちが拗ねてしまった思い出まで浮かび、承太郎はここに来て初めて笑みを浮かべた。
この世界にも、きっとどこかに彼女がいるだろう。ならば見つけ出すだけだ。
あちらこちらに飛ばされることは面倒で、出会うまでは気が気ではないけれども、彼女はいつも自分を待ってくれている。そう、信じている。
トリップするたびに立て直す誓いを胸に、承太郎は目の前に手をかざした。
輪郭を重ねるように相棒の手が透けて見えて、何人かが息を呑んだ気がした。
その後、名前を言える者と言えない者がいることが分かり、主に大人組はしょんぼり肩を落としたという。
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ちなみに一番拗ねていたのはご本人様だったそうです。(黒猫談)
刀剣世界だと、スタプラさんは付喪神と同じ扱いにされるのでしょうか。「本体と顕現」的な?
むしろ守護霊か。異世界を巡りまくったスタプラさんなら神格めっちゃ高そうw
刀剣、やったことないままにイメージでこういうネタが湧いて、書き始めたのは良いもののイメージでセリフは書けねえ!と思い、勢いで審神者はじめました。(あれ本末転倒)
……や、大丈夫!沼は回避してます!沈んでる時間ないんで!
いつか時間ができて本格的に始める時のために、食事やぬこ梳きタイムなどPCデスクに向かうとき限定で日課こなしたりしてるだけです。
正直、こういうイベントがメインじゃない育成・収集系のゲームはほぼやったことなくて、「レベル上げはあくまでイベントに到達する手段であって、目的になるのはどうよ」と思ってましたが、意外と楽しい。
ガンガンレベル上がるしガンガン刀拾ってくるし。受け取れない刀が把握できないほどたまっていくの何なの。
というか、蛍ちゃんの立ち絵が可愛すぎて見入る。こんな成りして何故大太刀……。
あとは短刀ズと脇差ズが可愛い。このゲーム「可愛い」で感想終わるな!
そんな感じで、ちまちまレベル上げしております。
はまってはいない。断じていない。
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