らぶれた裏設定*一時帰宅(↓の続き)
2015.07.30 Thu 00:53
前回の続き。
主人公の世界へ一時帰宅したときはこんなかな……というネタ。
一時帰宅できるようになってる、ということは言わずもがな三部完了より後です。
会話文だけでは表現が面倒になったので、普通の小説書き。
「え……、え、ねぇ……ちゃん?」
「あ、芳樹ー。久しぶりー」
「うそ……だろ……まさか、ねーちゃん…ッ!」
くしゃりと歪む、彼女に似た顔と震える声が、承太郎の心に痛かった。
こちらでどれだけの年月が経っているのか知らないが、彼女がいなくなった時、家族は血眼になって探しただろう。
芳樹にだけは少し話を通していたものの、まさかそれっきりこちらに来れなくなるとは思わなかったから、説明が十分だったとはとても言えない。
彼女の家族には、高校を卒業する年に会いに行ってきちんと事情を話そうと思っていたのだ。あんな神隠しのような失踪をさせるつもりはなかった。
原因は彼女自身のスタンド能力であって承太郎のせいではないが、全部分かっていて彼女を引き留めたのは自分だ。
今までの友誼も信頼も失くすかもしれない、と、承太郎が腹をくくった時。
すうっと息を吸い込んだ芳樹が、次の瞬間、ぶっふー!と力の限り吹き出した。
「あは、は、ははははは!」
「えっ、久々に会ってなぜ爆笑!?」
「ははははははははははは!!!」
「うるせー!声でけーよ!」
「ねーちゃん、めっっちゃ老けてるッ……!!!」
「うぜえーーー!!」
「いってぇー!ははは、んぎゃ、逆エビはらめぇー!ははははは」
「君がッ!泣くまで!絞めるのを!やめないッ!」
「ギブ!ギブギブ!ちょま、ねーちゃん腕力すげえあがってる!死ぬ!マジで死ぬからぁ!」
バンバンと床を叩きながら苦しむ弟と、美しいまでのフォームで両足を固めた姉。
承太郎はしばし呆気に取られた後、巻き込まれないようにそっと数歩下がった。
二人そろっているところを見るのは初めてだが、姉弟だ。紛うことなき姉弟だ。
「はぁあああ……しぬかとおもた……」
「こっちは殺すかとおもたわ」
しばらくして、ようやく双子が落ち着いたのを見計らい、もう一度近づく。
「よう、承太郎も久しぶりー」
「ああ」
「お姉様の手前、敢えて年は訊かねーけど……若い頃老けてた分おまえは変わんないなー」
「やかましい」
「お、もしかしてその子……!?」
その時初めて、承太郎が小さな子供を抱いているのに気づいた芳樹は、痛む体を無理に動かして立ち上がった。
「わー!わぁー!もしかしなくてもこの可愛いのがおれの姪っ子かー!」
「……ああ、徐倫だ。徐倫、挨拶しなさい」
「こ、こんにちわ……くうじょうじょりん、です」
「こんにちは!おれは芳樹、徐倫ちゃんのママの弟だよ!」
「大丈夫だ、怖い人じゃあない。ママとのあれは遊びみたいなものだ」
「う、うん」
「えーおれ怖い人と思われてんの?どっちかってとママが怖い人じゃ」
「芳樹?^^」
「いや、アレですね。すんげー可愛いお子さんですねぇ」
「徐倫可愛いでしょ!徐倫かわいいは正義!」
「イケメンの血を色濃く受け継ぎすぎだろ。しかし徐倫ちゃんに会えるとは胸熱ッ」
「へへへー私仗助くんにも朋子さんにも会ったもんねー。仗助くんのリーゼントと後ろ頭のピコッとしたのと、胸のファスナーも触らせてもらった!あれ開くんだよ!」
「おい待てそれはいつの話だ?おれは知らねーぞ」
「じょたうざい」
「承太郎うざい」
「……………。」
ぴったり重なって浴びせられた罵声に微妙に落ち込み、腕の中の徐倫に頭を撫でてもらっている承太郎を無視して、改めて弟の顔を眺める。
何十年も経っているわけではないけれど、懐かしいと素直に思った。
片時もそばを離れたことがないなどというマンガみたいな双子ではなくても、小さい頃から慣れ親しんだこの空気は変わらない。
そして、娘を見て開口一番に『徐倫だ』ではなく『姪っ子だ』と言ってくれた察しの良さと気配りも。
「何にせよ、無事に戻って来れてよかったわー。さすがに失踪はやばいし」
「あ、ねーちゃん、まさかこっちいる間おれんちに住む気?」
「住む気ー」
「えー。ねーちゃんち家賃引き落としだからそのままにしてるのに。あ、会社には連絡しといたよ」
「おーすまんねー。なんて言ったの?」
「姉が病にかかってしまい……いえ、命に別状はないし元気ではいるのですが、事情があって決まった場所から出てくることができなくて……」
「伝染病疑惑www病名:スタンドwww」
「どうしても会いに行きたいっていう先輩だかなんだかが電話かけてきたけど、あいつはオレの女ださっさと病院教えろ的な態度だったから、『すいません、家族の他は婚約者くらいしか面会できなくて』って言ったら撃沈した」
「wwwごwくwろwうw」
「どいたまー。とりま親父たちに連絡しれー」
「おー」
スマホが通話できるようになってる!久々!とはしゃぐ姉を生温く見ながら、芳樹は『布団レンタルしようかなー』などと呑気なことを考えていた。
会話書いてると際限なく長くなるので、もうここでブチ切りました。
最初の弟の反応がドーナツホールその後の夢主と同じ系統でわろた。
お弁当作るの忘れてたので作ってきます!今からかよ!
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