恋人遊戯

俺には、付き合い始めたばかりの恋人いる

とはいっても、相手は男。
堂々と世間に公表出来ない。

しかし、俺は、アイツを、颯斗を、


誰よりも愛しているんだ



「…これを僕に、ですか?」

「ああ。いらなかったら、捨てて構わない。」



今日は、俺の部活も、颯斗の生徒会も休みという、貴重な休日

滅多にないこの日を逢瀬に使わない手は無いと、一週間前も前から約束してまでこの日を取った。


女々しいと笑われても構わない。

ただ、今日でないと意味の成さない逢瀬だった
そんな中、俺は颯斗にあるものを渡した


手作り等では無く、既製品のそれは、購入するのにかなりの勇気と恥ずかしさを要する

「開けてもよろしいですか?」

無言で頷くのを確認した颯斗の綺麗で長い指が、包装紙を剥がしていく

「…チョコレート?」


中からは、某有名菓子メーカーのロゴマークが入ったチョコレート

…これを買うのに、どれだけ店員と客の好奇の目に晒されたことか
…そんなに珍しいか?男が買うのが


「…1日早いが、明日はバレンタインだからな。日頃の感謝と、労いの代わりだ」


なんとも可愛げのない(いや、可愛げがあってもあれなだけだが)台詞だと、自分でも思う。

「あなたからの贈り物ならば、捨てるなんて勿体無い事は、できませんね」

パッケージを開けて、中のチョコを一つ、口に入れる

その流れるような動作一つに、俺の瞳は釘づけとなる。我ながら、単純だと思う。

「あ、そうだ。僕からも、貴方に贈り物があるんです」

目を、瞑っていただけますか?と言われ、若干の不安に襲われたが、大人しく目を瞑る

ガサガサと何かを探る音がするが、なにを開けているのだろ?

不意に、静寂に包まれ、頬と唇に、温かい感触、そして何かが侵入して来る感触がした
「んっ…んんぅ…?!」

驚いて目を開けると、視界一杯に颯斗の顔があった

それと同時に、キスされている事に気付く

しかしそれも、すぐに離れて行ってしまい、あまり感じ入る事が出来なかった


「どうしました?物欲しそうな顔して…」

物欲しそうな顔などしていない!と反論しようとしたが、口内に何かが入っていて、出来なかった

先程口付けの熱により少し溶けたそれは、口内に甘さの波を広げる

「な…なに、して…」

「なにって、口移しで「言わんでいい!」…くすっ…チョコレートも甘かったですが、貴方の唇の方が何倍も甘いですね」

「…恥ずかしい奴め…」

恐らく、俺の頬は恥ずかしさで真っ赤に染まっている事だろう

しかし、そんな恥ずかしさなんて、本当はどうでもいいんだ

だって、今目の前に、世界中の誰よりも愛している奴がいるのだから

理想論だと言われてもいい

女々しいと笑われてもいい

気持ち悪いと罵られてもいい


俺がコイツを好きな気持ちに変わりはないから、
そんな事を思いながら、再び降りてきたものを受け止めるため、俺は目を閉じた

end
→あとがき


<あとがき>

夜ちゃん、長らくお待たせいたしました。

あの時のチャットにてネタを提供頂いた、バレンタイン&口移しチョコネタにて作成した作品です

最後無理やり終わらせた感たっぷりな上に、あんまり巧くない文章表現ですみません。

よろしければ貰ってやってください。

夜斗さまのみお持ち帰り、返品可能です。
・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:

鈴村優音さんから相互記念に頂きました。
頂いて読んだ時、狂喜乱舞でした。素敵です。ほふ〜
ラジオネタで盛り上がり、お互いにこれを相互記念の小説やイラスト
にしようと・・・
優音さん本当にありがとうございました。



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
あきゅろす。
リゼ