「雪の中から誰かが見てたよ」
涙が滴る あなたは見ちゃだめ
そこにあるのはきっと
春に咲く花だから

夢の中で繰り返した
はずなのに ああ
あなたはいけない子
そこには何もないと言うのに

「雪の中から誰かが見てるの」
言葉が落ちる あなたはいけない
そこにあるのはきっと
春に咲く花なのに

何も咲かないよとけらけら笑う
くつくつくつくつ喉を鳴らす
そこには何も眠っていない
あなたは本当いけない子
誰に似たのか 苛々する

「呪ってやろう」
幻聴幻想妄想迷妄あなたは何を
何を何を何を何を言い出すの
あなたのために
ひとつ壁を壊してあげただけ
壊してあげなきゃ
あなたが壊れていたというのに

転がっている鉄も割れたガラスも
そのまま残してあるけれど
あなたは盲目見たことないはず
あなたの双眸はないのだから
あれあれあれあれ?
どうして雪の下のことを
知っているんだ

あなたがもう汚いものを
見ないように消したのに
あなたは宝物なのに
涙が滴り すぐに
手を離すなんてどうしたの

雪も誰かもいないから
その2つの光を
誰にも見せてはいけない
雪も誰かもいないから

早く手を早く手を!

「ほら 私 あなたとはいられない」
幻聴幻想妄想迷妄あなたは何を
何を何を何を何を言い出すの
あなたのために手を繋ぐのに
離していいと思っているのか
あなたは盲目 潰したのに!

ほら また 独りになった
あなたはやっぱり倒れた

ほら あなたも
独りになったから


あれ ……す で に ?


「元から独りだなんて
 知らなかったでしょ」


その声だけは確かに
聞こえた よね!

視界は冷たい真白に消え
くつくつくつくつ笑い出す


「ねえ 幸せだったのに」
「ねえ 見たことある?」























2009/05/03 Yue.


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