ゆらゆら揺れる蝶を捕まえて
その綺麗な羽をちぎって
ほらほらなんて素敵なの
あなたはもう何処へもいけない

醜い身体を晒せない
羽もないから飛べやしない
ああ ああ バカみたい

痛いの痛いの飛んでいけ
そしたらあなたは飛びかけた
あら どこへ?
きっと笑わせてくれようと
したんでしょう

ちぎれた羽は無残に黒々と
そのへんを舞っていたのに
動かない 動かない 動けない

ちぎられた体は無残に青々と
そのへんを蠢いていたのに
動かない 動けない それでいい

醜いあなたは芋虫より遥か
きっと何よりも誰よりも
化けの皮剥がれたように
猫を被っていたように
許せないほど
微笑ましいほど醜く汚い

ほらほらあなたは私がいないと
何もできない 動かない動けない
許すわけがない
私を一人にした罰なんだ
甘んじて受けてもらわなきゃ!

ゆらゆら水面では月が花が
ゆらゆら揺らされて
ああ ああ あなたには敵わない
新しい羽が生えるかは知らない
でもでも私が見ててあげる
あなたの醜い姿全て

だ か ら

私が死ぬまで
どこにも行ってはいけない
私が死ぬまで
勝手に消えてはいけない
ゆらゆらふらふらしては
い け な い

羽が生えても私の近くでしか
飛んではいけない

ちぎれた羽は無残に黒々と
あなたに見せ付けるように
光を失っていく

ちぎられて残ったあなたは
涙を見せることもなく黒ずんだ























2009/05/05 Yue.


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