政宗は楽しげに笑う。


「Hey,そんな顔すんじゃねえよ。俺の相手は不満か?」

「いえ、身に余る光栄です」


 小十郎も笑う。


「それなら、さっさとしろよ、小十郎……」


 政宗は掠れた声で言うと上目遣いで小十郎を見つめた。


「ふっ……政宗様もお上手になられた。あなたはこの小十郎を惑わす才に長けておられる」

「HA! お前がそんなことを言うたぁ、珍しいな。明日は雷雨か?」

「言葉にせずとも、小十郎は常よりそう思っておりますよ」

「小十郎……。だったら早く続き……もう待てねえ」

「仰せのままに」


 王手と言う小十郎の声が響き、政宗から笑顔が消えた。


(2010/07/30)


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将棋ですよ、将棋。


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