大切な
2009.09.19 Sat 06:52
急に孕んだなんて言わないで下さい
とても幸せですが言わないで下さい
だって…ダークが…
「ホーリー?どうした?」
ベッドに寝ていた私の横に来たのはクラウドだった
クラウドはこの家に来てくれる唯一の人間。
そして、私の親とも呼べる大事な人間。
「寝ていただけですよ」
私はクラウドになら騙されないだろうと思う嘘を申しました。
騙されてと願いながら…
「そうか、寝ながら何を考えてた?」
騙されてくれないのがはやりクラウドでした。
私の嘘は幼児が言う嘘と似ている様でわかりやすいらしく…騙すのは無駄だと言われましたのを思い出しました。
「………腹の子を考えておりました」
そうか、とだけ言って私の頭を撫でたクラウドが優しく、逞しく見えました。
「クラウド…私は我が儘を申しても良いのですよね」
「いいっつってんだろ?
お前はお前だって、別に背伸びしなくていいって
あぁ、言い過ぎは駄目だけどな」
朝に言われた台詞をまた繰り返し言って頂けました。
クラウドははやり私の思いを分かって下さります。
本当に、凄い方です。
「クラウド…私…子を産みます…」
「分かってるよ、それを悪い事だなんて言わねぇよ」
クラウドはまだ頭を撫でて下さります
私はダークだけならず、クラウドにも我が儘を申しているのですね………
本当に、子供ですね…
「なぁホーリー
何が不安なんだ?」
珍しく優しく言われました
何時もは何処かに棘があるしゃべり方しかしないのに
「……私は、我が儘を申し過ぎる子供だと思いました」
「違うだろ?それは不安だから言うんだろ?」
クラウドは何を申している訳でしょう?
私にはわかりません。
「あのな、ホーリー
私にとってホーリーは憎い存在であったけど、今は違うって言うのは分かってくれてるよな?」
私が頷くとクラウドは私を起こして座らさせました。
そして、私の腹を撫でました
「お前の不安の原因は餓鬼のお前にとっては必要であって、不必要でもあった
意味分かるか?」
クラウドは私を見上げてあの射抜く様な瞳で私の目を見て来ました。
「お前にはまだ早すぎた
お前はまだダークのことが分かってない以前にお前自身のことも分かっていない
そんなお前には子が不安にしかならない」
目が間違っているかと聞いているのを私は分からないフリを致しました。
認めるのが怖いから…
「お前は心配って言葉も知らない餓鬼だ
だから、無理をすんなよ」
クラウドは私から離れて部屋から出て行きました
気づいたら私はクラウドに向かって走って行きました。
クラウドの背に抱きついて、離れないでと心から体で訴えました。
クラウドは止まって下さり、私の腕を撫でて下さりました。
「どうした?」
「私は…子は…欲しかったですっ……ですが…今は欲しいとは思えませんっ」
言いたくなかった台詞を言ってしまいました。
ですがクラウドは黙って聞いて下さり、まだ腕を撫でて下さります。
「私は…子が怖いです…子が生まれればダークは子しか見なくなりそうで…」
クラウドの手は私の腕から頭へと移動しました。
「私の我が儘ですっ…私は…私は…子が怖いです…力や苛められる等も怖いですが…ダークが…」
涙が零れ落ちて来たらクラウドは涙を拭って下さりました。
本当に甘えさせて下さる方です。
「ホーリー、お前の頼れる一番の人って誰だ?
ダークか?私か?」
私は一番その問に困惑してしまいました。
【一番頼れる】だなんてわかりません。
お二方はとても頼りになりいつもいつも助けて下さりました。
「あのな、ホーリー、決められないだろ?
それと一緒でダークも多分ホーリーと子供、どっちが大切なんて決められない程大切なんだ。
まだ分かんないかもしれないけど、絶対分かるからな」
クラウドは私から少し離れて笑いました
「さて、そろそろ帰るな」
そう言ってすぐに瞬間移動をして帰って行きました。
私は腹部を撫でてみました
御言葉
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