空のコト


わたしはいつもみんなを上から見守っている

みんなを見ていると

楽しくてポカポカしたり

時には悲しくて涙を流したりする

けれど、みんなが自由で与えているのはわたしだけ

みんなが妬ましく思った

妬ましかったから思いっきり叫んでやった

『みんな死んじゃえ!』

たくさん叫んでわたしの喉は枯れてしまった

きっとこの叫びは誰も聞こえていないだろう

聞こえないふりをしているのだろう

それでもあなたはわたしに答えてくれた

それはとっても嬉しかった

けど重みでもあった

どうしてあなたはいつも

笑っているの?

わたしを一日中みていて

キラキラした目でわたしを見つめて

何かを言っている

口で『あ、り、が、と、う』と言っている

ばっっっかじゃないの!?

あなたのためにわたしは何かをしているわけではない!

ありがとうだなんて言わないで!

虫唾がはしる!

それとあなたはわたしに近づこうと頑張って背を伸ばそうと頑張っていたね

けど、そんなことしたってどうせ何か変わるわけじゃない

絶対わたしには届かない

しかしあなたはわたしのところに来た

あなたは手を伸ばす

その手をわたしは払った

恐くて怖くて

それでだんだん怒れてきてわたしはその手を折ってやった

あなたが悪いんだよ

あなたがわたしに近づこうとするから悪いんだよ

あなたはだんだん遠くなっていった。

そしてわたしは涙を流した――

あとがき



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