クラスの子に知られたくないわたしの想い
わたしには高校で好きな人がいます。

16年間も。


あ・・・いえ、好きかどうかは初め分りませんでした。

ただ・・・

彼と出会ってから、わたしの心が変化したのです。

今まで、ふさぎ込んでいたわたしの心を解き放ってくれました。

そのころから、Aくんのことを気にしだすようになったのです。

惹かれていました。




けれど、あの人の何処に惹かれているのか全くわかりません。

よく廊下ですれ違ったりするのですが。

わたしと話すときは、とても乱暴で、暴言ばかり言ってボディタッチとか普通にしてくる人なのです。

ときどきイラッとする発言をすることもあります。

それに、わたしが優しくし接しても、向こうの方は全然優しくなんかしてくれません。

悲しいです。

悲しいと言うより切ないのです。

どうして、あの人のことが気になるのでしょうか。

わかりません。

わかりません。

頑張って嫌いになろうとはするけれど、全然なれないのです。

言い方がきつくて怖い人なのに。

嫌なのに。

大嫌いなのに。






ある日、わたしは、本人から家庭のことについて話されました。

わたしも、聞いてしまいました。

向こうが話し出したことがきっかけで、わたしの中の好奇心が駆り立てられられたのです。

そして、本当に軽いきもちで、聞いてしまった。


「 ・・・・・」


「 ・・  ・・・・」


「・・・! ・・・」


激しい後悔がわたしを襲いました。

なぜ、あそこで、聞いてしまったのでしょう。

なぜ、知ってしまったのでしょう。

その話をきいてから、Aくんと話す女子が恨めしく思うようになりました。

彼のことを何も知らないのに、からかったり、親のこと言ったり。

見ているのが嫌でした。

いいえ。違いました。

羨ましかったのかもしれません。

一瞬――

わたしは殺したくなったのです。だけど、

この、わたしの想いを知られる方が嫌でした。

Aくんにも迷惑が掛かると思ったからです。

我慢しました。

毎日見ているのが辛かったです。

そして――
わたしは―――




Aくんに好きな人がいることを知ってしまいました。




本人から聞きました。

別になんとも思いません。

なんとも・・・おもいませんでした。

思ったとするなら、良かったと思いました。

これから楽しい青春が始まるのですから。

けれど、心にぽっかり大きな穴が空いた気がしました。

胸が痛いです。

破裂してしまいそうなくらいに。

そこでわたしは

おかしい・・・・・・と気づいたのです。





異変はすぐにわかりました。

目から、水滴が落ちてきたのです。

涙・・・でした・・・

止まりませんでした。

悲しくなんか無かったはずなのに。

悔しくなんか無かったはずなのに。

どうして どうして どうして どうして どうして―――

こんなに痛くて辛くて悲しくて悔しくて羨ましくて堪らない自分の気持ちなんて

知りたくありませんでした。




            初恋



そこでわたしは初めて恋というものに気がついたのです。

自分自身がAくんのことが好きなのだと、気づいたのです。




Aくんのことは、かわらず好きです。

忘れられません

忘れることが出来ません。

クラスの子には「恋はしたことない」「恋の仕方おしえて」などといって誤魔化しています。

言い張ってます。

そして――未だに

A君のことが大嫌いです。

こんな気持ちを伝えるのが苦手なわたしが

             素直になれますように



いつか、この想いが――
                   Aくんに届きますように・・・・・・




あとがき



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