抹茶アイス

「やっぱ夏はアイスだよなー!」

そう言って無邪気に笑うサトシの手には、二段に積み重なったアイスクリーム。
下がバニラで上が抹茶のそれは見た目も爽やかだ。

「でも、サトシが抹茶なんて珍しいね」
旅をしていく中で、彼の好みは把握したつもりだったんだけど。抹茶が好きなのは知らなかったな、なんてちょっとした敗北感を感じる。


「いや、なんかさ、抹茶ってデントに似てるなって」

―さらりと言われたその言葉に、さっきまでの敗北感は吹き飛んだ。

ハッとしたような素振りをして別に深い意味はないから!なんて焦るサトシの頬は赤くて、これは、

自惚れてもいいよね?



(そのあとサトシが抹茶アイスを舐める姿になんだかドキドキしてしまったのは仕方ないと思う)


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