そんなお年頃
ある日の夜。ポケモンセンターで宿泊の受付を済ませたタケシが、いつもの糸目を若干下げて戻ってきた。
「どうしたんだタケシ?」
「どーせまたジョーイさんにでも振られたんでしょー」
いや確かにそれもあるんだが、としょげるタケシ。図星かよと2人の苦笑いが入った。
ひとしきり悲しんだ後で思い出したように手を合わせる。
「スマン!今日は混んでるみたいでな、ベッド一つしか取れなかったんだ」
「えっ」
「うそーっ!最近野宿続きだったからやっと休めると思ったのにー…」
「一つはあるから、一番疲れてるカスミがベッドを使ってくれ。幸いソファーがあるからサトシはそこ。オレは床で寝るよ」
「えっそんな悪いわよタケシ」
「はは、大丈夫、慣れてるから気にしないでくれ」
「そうだよ悪いよタケシ!オレとカスミがベッドで寝るからタケシはソファーで寝てくれ」
「えっ」
「えっ」
「そんなに狭くないしいいだろ、カスミ?」
純粋すぎるサトシの笑顔が眩しい。が、その案にはカスミが黙っていなかった。
「ア、アンタねぇ…デリカシーってもんはないの!?」
「デリカシー?なに?新しいポケモン?」
照れと怒りで顔を赤くするカスミの横で、ダメだこりゃ、といった風にタケシとピカチュウがため息をついた。
(ほんっとお子ちゃま!!)
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サトシは無意識だけどカスミは意識しちゃうみたいなサトカスが!好きだ!!
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