ふたりで

「ねむい」

いつもなら自分と首領パッチの分の布団を敷いて尚且つ朝食の仕込みもしてからやっと眠るビュティが、この一言を発すると同時にぽすりとソファーに倒れてしまった。

いつもと様子の違うビュティを首領パッチが覗き込む。
「おーいビュティ、そんなとこで寝んなよっつーか寝るなら先にオレの布団敷けよ」


理不尽な要求にも返事はなく、返ってきたのは僅かに聞こえる寝息。

「まじかよ」

これは困った、と頭を掻く。
こんなところで寝て風邪を引かれても困る。その前に自分の布団を敷いてもらわないと困る。自分で敷くという選択肢はなかった。

「起きろよビュティ〜」
つんつんと突いてみるも、反応無し。相当疲れていたらしい。


「…しゃあないな」

少しの間考え込んでいた首領パッチが、ずるずると部屋から持ってきたのは毛布。

それをビュティにかぶせ、自分も横に潜り込んだ。

「…今日だけだからな」




たまにはこんなのも悪くないと思いつつ、眠りに落ちていった。






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寝てる間に首領パッチが毛布を独占しちゃって結局ビュティが風邪を引くっていうオチ


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