君に会いに


お昼時、家のチャイムが鳴る。
お客を出迎えに行った首領パッチがパチ美になったのが聞こえて、ビュティは誰が来たかを理解した。

「こんにちはー、おじゃまします」

入ってきたのはやはり白髪の少年で、ビュティは笑顔で迎え入れた。

「へっくんいらっしゃい!今日はどうしたの?」

「あ、この前言ってたアップルパイの作り方を教えてもらおうと思って」

そう言うヘッポコ丸の頬は赤く、まだ彼の足にへばりついていた首領パッチが何かを察したようにははーんと言った。

「な、なんだよ首領パッチ」

「フッ…そんな見え透いた嘘つかなくたってオレには本当の目的が分かってるぜ」

図星とでも言うようにヘッポコ丸がギクリとする。


「ただ会いたかっただけでしょ……このパチ美に!!」




少し間を置いてアアソウダヨーと棒読みの返事が返ってきた。


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