ポポポポポテロック
2019.05.21 Tue 15:23
声を無くした鳥がいます
飼い主の兵隊は宮殿でカゴに向かって言いました
『歌をうたっておくれ』
一方、山小屋にはみすぼらしいジャガイモのやうな男が
これまた鳥の声を楽しんでおります
宮殿の鳥カゴが落ちて壊れてしまいました
鳥はカゴに乗っておりました
逃げることも鳴くことでできたのに
いつもの日常を過ごす人々
争いは止まず幾人もの人が死にました
領土が増えた銭が増えた
しかしこれは太古から
変わらぬSADAME
鳴いておくれ
その一方で人は花を愛で空を想い
歌に心をゆだねていくのでしょう
悲しみのダンス ダンス ダンス
激しさは大地を伝わりまた戻り
己の魂を揺らしていく
あれから時がどくれくらいたったのでしょう
ジヤガイモのやうな男は
宮殿の鳥が死に初めて
外の空気を吸ったと森の小鳥に聞きました
ジヤガイモのやうな男が
なんと哀れな鳥だといいますと、森の小鳥がいいました
あなたの飼っている鳥がいってましたよ
あたし毎日が芋の粉じゃ飽きたわ
ジヤガイモのやうな男は
籠の鳥もうちの鳥もどっちもどっちじゃなと笑いました
ジヤガイモのやうな男が
家の小鳥に云いました
今日はパンの耳をあげやう
いらんわ←
しかし男が小鳥を想い
部屋に一輪の花を飾ると
鳥は嬉しくてダンスダンスダンス
小鳥のこころが揺れました
花を枯らすのか否かは
すり硝子で外を眺めるように
こころの曇りを取り払わなければ何も見えぬものなのか
ジヤガイモのやうな男は
そんなことを考えていました
ゼホ
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