日本経済2008〜2009
 2019.05.21 Tue 06:52



ポポ、お座り

私は愛犬を見ている
そう、毎日経過を見ている

“ウチは日経見てるんでいらないよ”

・・・・・

公園の公衆小便中

切り取られた窓枠に映し出された男
「あ、父さん…」
僕は感情をおさえるのに必死だった
父は借金をたんまりとこしらへて
『魚丸』という魚屋の奥さんと山菜取りに行ってそのまま駆け落ちした
父、“正一郎”

とうさーん

ご近所の奥様達に
“山かけ”と噂されていた
父、正一郎の姿が今ここにある
ううううう…父さん
待ってよ、僕だよ、
山かけ息子の「ほんのり」だよ

父さん、忘れたの…
こんなに大きくなりました

嗚呼…どうしたらいいんだ
小便をしながら一物を挟んで父、正一郎を追い掛けるか
それとも隣の方に冷静に、
 「魚屋の奥さんとカケオチしたぼくのおチチ」ですと
紹介すればいいのか
ああ、どっちにすればいいのだろう

冷静スープいいだこをまるごと乗せて
←注文しなきゃダメ?

蝉鳴く真夏の放尿中に
公衆といふ便所の窓のビビタル開放区で
横断する見知らぬ人と視線を合わさねばならない義務感に
多少うんざりしていたほんのりの表情が一瞬、

“明るさをとりもどした”

身勝手な父を烈火の如く怒った母が
近所の奥様たちから“鉄火丼”と呼ばれていたこと

ツライ思いが一瞬脳裏をよぎる

しかしそんなつらい感情を和らげてくれたのは
公衆便所の隅にそっと置いてある一輪の花だった

そう、
「ほんのりは、ワンカップに活けられた花に輝きをみたのだ」

とーさん

忘れたの
ぼくは山かけの息子
“ほんのりだよ”

ぐすん、
ねえ、わたしマグロでもいい?
がんばれ、
冷凍じゃなきゃなんとかする

ゴロッ

嗚呼、いけすで尾びれブルブルさせて
泳ぎまくる活きのいいギャルと
どーんと寺に行きたいわ

「坐禅サークルノロイソ」

あー坐禅坊主さまのそばで
ハンターギャルにナックルボールこめかみにぶつけられた方が無心になれる、
そんな気がするボクです



バター



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