大石スケベ東海道(大石春歌)
 2019.05.11 Sat 04:21



◯深川のいはぬが先の日本橋おなごりおしや雁も高々

◯七つたちお江戸御門の長まくら明けむつごとの日本橋にて

○持ち馬でちょんと箱根の隅をつき旅すじ海道の千の松原

◯濡れかかる八里箱根も沼ずるりふしくれ馬の脚も抜けなむ

◯ささ急ぐおかげ参りの袖をひき松の木陰で関所あらため

◯見あぐるはあぐらのはらの大ふぐりにほふは雪の浮島ヶ原

◯雁たかく不二の頭をながむれば筋海道の松もたけなり

◯浮き島の不二のあたまを駿河ひと漕ひで逆さま田子の浦まで

◯田子の浦としもくれつむ雪みれば不二もけぶるる朝もあけらむ

◯田子のうら余白の内に稚児のこへ待つかげふむやけさのひと雪

◯浮き世みてまたもここらで興津川花の香もする首も瀬にぬれ

◯乗りうつるさざへ鮑を蒸しあげてわたし船にて腰をつつぱる

◯尻つべた口説く島田の大井川はさんで金谷先もずぶずぶ

○川留めの尻もぬれると大井川島田の宿で首またしまる

◯遠州の灘で見附の大うなぎ眺めては月すつぽんとぬく

◯待つひとのパイでうなぎをパイこする浜辺の松も自然じょろじょろ

◯筋太きうなぎを比丘尼くわせたり明けむつごとのはや千鳥鳴く

◯道中をねがつて参る宮の内さす玉茎の心地良きさに

◯長持ちにあわび赤貝つき入れてあわてず桑名焼きのはまぐり

◯松かさを焼いて桑名の大鳥居鈴鹿の角で膝もずりずり

◯比丘尼でも参るお陰の大ぐしで伊勢七ヵ所のうえをのにする

◯袖あわせ四日いちどの泊り村つきつく坂にあしもよしなに

○しつぽりと濡れた鈴鹿のふくろ角広よでせましあとはなだらか

◯指つこをそつと草津にしずめみて琵琶を片手に勢多の大津き

◯馬で寄り草津の宿に身をしずめ琵琶を片手にしじみ貝汁

◯鼻さきで三上山をはちに巻き勢多のつばきで大ぐしとする

◯道中を馬まではいる姥が餅小豆をこして餡にしあぐる

○なか指をおうみ草津に浮かばせて琵琶が名手とうつつをぬかす

◯立膝の京羽二重を伏見みてつぎ三条のうへで結ばる




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