11【地理】
2022.05.02 Mon 15:03
【地理】
春の水
○春水や守り袋の品揃ふ
水温む
○水温む髪や花街の昼下り
○素顔なる花街の昼や水温む
春の堤
○行列や長時間待つ春の堤
春泥
○春泥やお寺の裏は観光地
○春泥やカフェに入ろか迷い立
○白昼に種を買いゆく春の泥
○春泥や息つく街を眺めをり
○春泥を型にしたる指輪かな
○春泥や年増の庭をぬかで立
○春泥や肌の乾きの惜しみ無く
○春泥や若い男の足の型
○春泥や残す都内のペアシート
○春泥に復讐したりネット妻
○春泥や年増女の気の緩み
○春泥に誘われてをり手の湿り
○人妻の脚なまめいて春の泥
○白昼に汚されたるや春の泥
○人妻の指くわえこみ春の泥
○くわえこむ女の性や春の泥
初筑波
○ダイダラの股より里の初筑波
○ダイダラの股より見ゆる初筑波
○人跨ぎ二またぎせぬ初筑波
初富士
○初富士や急須の口に獅子の口
○初富士や君の千歳を風の声
○初富士や東海本線昔より
○初富士を知りたる人の急須かな
○初富士や新幹線に淹るるお茶
○初富士や時代も変わりすでにして
○初富士や迎合もせづ五十年
○初富士や成年行事に両陛下
○初富士や好みの女帰りけり
○初富士や鏡のごとく迎えけり
○初富士や三方にのせ有りがたき
○初富士を一本釣りとなり申す
○初富士や息災といふ便り有り
春の海、夏の海、秋の海、冬の海
○日本地図ほろりくずれて春の海
○日本地図なべてたのしき夏の海
○日本地図つれそふごとき秋の海
○日本地図美の根底に冬の海
春の波
○春濤や催眠術の石ゆるる
○催眠やねむくなります春の波
○海岸の伸びて左右や春の波
○春濤や肌に軽さの感じをり
○指先を小蟹のごとき春の波
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