★オイシー自由律☆またつくるきょうからわら
 2019.05.10 Fri 21:35

★オイシー自由律☆またつくるきょうからわら

○雲の中春の山
○半分叱咤されて青い雲
○このみちを行けば煙が出ていた
○生涯隠遁し遂に青い山
○猫は句の友ライター落ちる
○猫が見るわたしがふさわしい
○益々笑い泣いた仏様
○納得するまで犬よ湯にむかふ
○駆け上がる雲なくなる
○羊もかしこまる一面
○春どかす石わたしになりたかった
○ぽっかり月に寝る東京タワー
○春に来た平面的な自分は絵の具
○レモンに島影掃いている命茜
○看取られる犬よ光うつくし窓を開ける
○玄関を開け頼んでいた首輪
○なにもいはづ広がる海けふもまた
○月盗もうと灰まく
○犬の椀に花盛り
○しとしと犬もしとしと
○蝿おがむ御位牌南無阿弥陀仏
○これだけの夏蜜柑まんまる
○町から見ゆる山もほんとうの山
○のりだして振り払う青い空
○こぼれて泣いている
○わたしには大きすぎるほどのまいにち
○チョコレートが喉を落ちる木の葉のように
○犬は春風
○犬は春風ころがっている
○月夜かな梅は知らず
○なんといふ恋して森と林
○ぽたぽた若さよくある
○ほうたると南空
○たったひとつの石ころ歩いた道
○空瓶に酒にほふほうたるとんだ
○釈迦が死んでいるような樹でねる
○俳句ブームにひとり
○平成の春の山
○元号月昇り梅の花
○皆がしあわせそうだ風の中
○女湯まど開けて春風
○いぬころついてくるいつもより長い道
○若松これだけ残つている
○胸いっぱいの草花つばくろ来る
○雨東京の春しずけさの信号機
○穴空いてあるさくらさくら
○東京高架下に入って春の雨
○無人の寺で彫つた青く梅
○燃えていたのはわたしの青
○底辺の空間山へ月冴えている
○鳥の声を聞いて山の中へ虫の声も
○手にいっぱいの空がふかふか
○胸を張ってみた何もかも忘れた夕暮れ
○猫の頭突き夜は二人
○さくらさくら一本の山桜風の中
○観世音松の緑
○どんよりした雲もわたしの一部
○仏さまというだけで歩きつづけた
○東京にどっと横になる美しい
○ビルを推し返したわたしの夢
○燃えている人の手にふれた秋の空
○虫もないているみんな泣いている星の中
○草も枯れたので家に帰る
○いぬの尻尾が早くて目が回る
○きのふの暑さを海がもっていってしまった
○夢跡に立つ夏
○美味しそうなお団子緑の春の山
○枕元なつかしく病んで冷たい水
○椿全部落ち雨を受けている
○椿の中が明るい雨
○椿の中が明るい女の子の帰り道
○水を汲んでいるわたしは水誰も知らない
○何かを干す農家の方の笠秋が来る
○時雨を観てひとり
○なんとやさしい手だ杖をつく
○薔薇咲いて青い空お手紙ありがとう
○わたしは青を続けている
○猫もわたしも石にほこりがすごい
○青い春にみんなひとり
○花の名前を知らないので座っている
○見上げてまた東京を担ぐ
○銭湯にたばこやに秋空
○おでんに星の雨居てくれた
○猫は下からみると悲しそう
○一日お茶を飲んでいた
○ころころした女に挟まれて酒を飲んだ
○乳を揉んでといはれ低頭した
○東京が青田だった頃波ゆらゆらゆれて
○あーラクダといってごまかすことなく林に来た
○放下して春の空


[*前へ]  [#次へ]



戻る
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
あきゅろす。
リゼ