2019短歌
2019.05.10 Fri 21:30
2019短歌
◯灯台の島に流るる椰子の実のうつす月夜に猫の背なでる
◯初恋の土手に寝転び草をはむ鳥もいつぞや渡るかなしき
◯ただ一人窓にもたれて雲を見つ十四の春も夏へとはしる
◯雪の積む流れし夏の雲まぶし我咳をしてまた目を閉じる
◯春の雪ふと差しのべて窓の君ながるる涙なつかしくもあり
◯山並みの背に白雲のもの思ふ歩める君に君待つ空に
◯手に触れた渚の砂の白波に気づけば君の足先しろき
さいしょ足、つま
◯見かけたる駅のホームに立つ君の寒さ耳あてゆれて窓みゆ
◯冬の朝しろく息はく君を見つ駅に春待つとけし初恋
◯髪しきり流して君に潮騒のきくこそかなし恋し波たつ
◯ひそかなる想ひを胸にあの山の寝転びけふも君をおもへる
◯雲のせる十五の空に我はまた泣け泣けとなくなんぞ鳥啼く
◯松の葉の静にしずく落つ君のはじけて空の慟哭となり
◯せる青の若葉も空に身を投げて鳥の背にのり我は火となる
◯田園の向こうの山の草に薙ぐ十四となりしこの恋心
◯そのむかし雪夜に星となる鳥の心はいまも赤く燃えてる
◯かなしくもやわらかにこそ風の中かなしきはその人々の中
◯ながむれば山山ばかりこの山の閉じれば瞳君の声する
◯岸行かば風となりしな我が心うつす川面にまた洗はれる
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【令和】
○真心の思へば越ゆる浮き橋の夢とて梅をゆらす朝風
大石流和歌なりや バター ★いいから
◯君が代に思わば空をひとり見てただ春の日に春を尋ねむ
◯うつ波の照る夜の月も夜に起きて匂ひし梅をゆらす山風
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