新新オイシー赤穂事件
2019.04.24 Wed 13:11
大石殿、この話は本当でしょうか
上杉は静かな空気の中、武器の確認に余念がなかった
側用人の柳沢と将軍家は吉良を城外へ移すことで大石が討ち入ることを期待しそこで叩くことを目標にした
さすがは不識庵謙信
といいますと
我が赤穂など一捻りと思うておるのでしょうな米沢は
訝しげに大石をみた江戸組に大石は微笑み柔らかく答えた
大石殿、この処置は我ら赤穂に吉良を討たせるため将軍と上杉が吉良の屋敷を城外に移したのでございますか?
その逆よ、
将軍家と上杉め、
我らに必ずや討てというておるのじゃ、考えてもみられよ、わざわざ老人の首がそこに転がっておるしかも江戸では吉良憎しの風評が立っておると聞く
江戸人は
われら赤穂の武士が討ちにくるのか
いまかいまかと待っておるのじゃ
行かねばならぬなと笑い
行かねば全ての赤穂武士の面目が潰れる
そして瑤泉院さまも
ただし向こうとて吉良の首を取られれば上杉の武門に傷がつき将軍家の采配も地に落ちる
こういう不始末で国というものが揺らぐものだ
しかも我らは浪人だ
わたしを含め老体も多い
大石殿、私は老体では御座りませぬぞ吉良、上杉の武士を斬って斬って冥土に行く心構えであります
ハハハ、お許しを、そうでありましたな
その上杉は将軍家と謀り我らをそこで返り討ちにするつもりじゃ
如何しますか…
脱落者も日に日に増えております
大石は不安を消すように
なに我が赤穂勢からはひとりも殺させはせぬ
ご安心してわたしにお任せあれ
ハハッと頭を下げ出ていく老体たちの後ろ姿をみながら
大石はどう相手を崩すかを考えていた
バタッ
[*前へ]
[#次へ]
戻る