【2001〜2】【313句】 2019 【3500句】区切りよく
 2020.04.02 Thu 06:39



○春水や光の鱗ごとくなり
○もの思う光の綿や猫柳
○経典の番忘れたり猫の恋
○いぬふぐり君待つ駅や昼の星 
○白魚や両国橋の空の雲
○白魚や両国橋の雲のゆく
○白魚や両国橋の東空
○白魚や両国赤く東空
○白魚や両国橋の雲走る
○片栗の花白山に呼びかける
○春雪や古びた宿を化粧する
○春雪や老舗の宿を化粧する
○春光やとけて幼き気配あり
○春光やとけて十四の気配あり 
○春光や放ちとけたる十四才
○咲き誇り散りしく庭の椿かな  
○苔の上散りしき誇る椿かな
○白椿紅の椿と惜しみけり

○片栗の花峰ありてものおもふ
○冷たさや柔剛にして若布狩
○ものの芽のかくれて夜の新しき
○ものの芽やかくれて夜の新しき
○亀鳴くや古ほろろ昔より
○朧夜にまんまるとして目覚めたる
○雛菓子や咳する母の枕元
○大熊や少年の日の春の星
○佐保姫やまるくて眉を流したり
○佐保姫やまるくて眉を染めかくる
○佐保姫やまるくて眉をおもはるる
○雛菓子や包みて母の枕元
○雛菓子や願いの開く包かな
○雛菓子や供えて神の薬草
▲春眠や風の子供に借らるる
▲春の闇心の空や出るまで
▲手の中のぬくし卵や花曇
▲湯すてて蕨の見ゆるお里かな
▲湯すてて蕨の見ゆるわが家かな
▲美しきかかる蕨の緑かな
▲古の森を抱えし蕨かな
▲古の蕨や音になりにけり

○復讐の光の帯びて春の脳
○蝶ひらひら五輪の風や君の声
○くつたりと取りこみてまた春の波
○長閑さや小さな虫の世界なり
○春暁や古森のはじめたる
○春暁や古森に深きもの 
○春暁や古森に帰りたる
○春暁や古森のささめたり  
○いにしえの春の暁聞こえたる
○春暁や古森も雨の中 
○昔日の知ると知らずに春かなし
○予知したるあの子の恋や風光る
○春泥に友の声する今しがた
○花種蒔く独身男学びたり
○飯くふて花種蒔きし男かな 
○ウエディングケーキあり鳥雲に入る
○春カーテン光や集め想いけり
○故郷の人さえぎって斑雪かな
▲俳人の青きころもや春の雪
▲草の上春のことばをさがしけり
▲春愁にしだれて深き蕾かな
▲春愁に流れは糸の故郷かな
▲幼さの夜におもいける雪崩かな
▲美しき花もあるとや残る雪
▲春の灯のLEDや夜の雨
▲春泥や都会の庭を見積りて
▲春泥の庭に都会の兆しかな
▲落ちぶれて降る雪のつむ刀柄
▲春暁や足音だけが白くなり
▲春暁やわれまた入りて引かれたり
▲春暁や大河になにものたるあるや
▲啓蟄や喉うるおして旅仕度
▲啓蟄や一節を読み昼の星
▲春雷や鼓膜も我を覚えけり
▲春雷に親しき人の帰りかな
▲春雷やカップの穴の内に消ゆ
▲この大地鰊曇の暮らしかな
▲この大地見なれて鰊曇かな
▲手の中の深きみどりや韭の風
▲頬杖の見えぬ星なり鳥曇
▲頬杖の佐渡にかかりし鳥曇
▲鳥曇に入る人びと暮らしの中
▲鳥曇に入る後悔のうねり哉
▲頬紅のごとくに消ゆる春の虹
▲見つめ合う春の虹なり如くなり
▲初虹や市井に人も多くなり
▲春の虹枯木に花を咲かせませう
▲春の虹田舎にとけて呼び覚ます
▲クリストの突き刺す鍬や春の土
▲羊の毛刈り峰々に皆の声
▲羊の毛刈り腕組みて腕や濃し
▲羊の毛刈り大空にもたれたり
▲羊の毛剪りなだらかに曇のゆく
▲羊の毛刈り人びとの曇の中
▲美しく羊の毛刈る男かな
▲青い瞳黒い瞳や鳥雲に
▲沈みをる海胆の脳波や考へる
▲デジタルの脳の如くに海胆沈む
▲海胆捕られ復讐となり愛となる
▲その昔くじらに恋し海胆沈む

▲雷の剣に座りて春の土
▲春カーテン光や集め想いけり
▲雪の果遠くに犬の散歩かな
▲朝に待つ君の知らせや名残雪

▲雪の別れふるさとの駅また踏まぬ
▲雪の終放たれてゆく心かな
▲雪の別れ恋した人や都会より
▲雪の別れ恋した人やビルをゆく
▲雪の別れ中学校歌見づに君
▲雪の果学舎に立つ二人かな

○長閑さや虫の世界の光なり
○長閑さや昆虫たちの羽開く
○長閑さや昆虫おびて羽開く
○長閑さや昆虫おびて開くなり
○長閑さや光をおびて開くなり
○長閑さの草に営む世界かな
○長閑さや草ぐさをわけ空の中
○ひとり待つ陽気に長き遅日かな
○ひとり待つ遠くに風の遅日かな
○ひとり待つ堂も越えたり遅日哉
▲人びとの心にゆらす菫草
▲とにかくも心に止まる菫草
▲すみれ草恋した人の光かな
▲すみれ草恋して君の光かな
▲行く人の見守りて待つすみれ草
○君の名を呼べばミモザの花となり
○ジュエリーをあなたの元にミモザかな
○ミモザ花飾られて尚花言葉
○ミモザ摘み飾られてなほ花言葉
○潮騒や聞こえてをるか木瓜の花
○風すこし放たれてをる木瓜の花
○風すこし放たれ木瓜の花にみる
○飾り箱うえに可憐な木瓜の花

○何事も思うことなく木瓜の花
○何事も一日に有り木瓜の花
▲亡き人やほどよく濡れて菫草
▲ふるさとを程よく濡らし菫草
▲わが旅をほどよく濡らし菫草
▲ふるさとや都会に有りし菫草
▲白木蓮ほとけの元に使えたし
▲白木蓮バス待そらに吸はれたり






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