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ピク。

日向ぼっこをしながら昼寝をしていた俺は小さな物音に反応して小首傾げる。


おかしい。


いつも人間がくる時間にはあまりにも早いし、何よりあいつはこんなにこそこそと俺の機嫌を伺うようにはしない。

あいつは突然きて突然俺の自慢の毛並みをめちゃくちゃに撫で回し、そして満足そうに帰って行く。

俺にしてみれば気に食わないが、たまに美味いものを持ってくるので許してやっている。



コソ。



……チラ。




…コソ。




…………チラ。






ムカつく。


大好きな昼寝の時間を邪魔されたこともそうだが、態度がムカつく。

しょうがないから、


「にー」


俺が行ってやる。

「なっ、おいやめろ!」

あいつよりも背が高いので顔面に体当たりするのは諦める。



だから逃げるのを邪魔してやるぜ!



「やめろって言ってるだろ!」

フワッと優しい手付きで抱き上げられた。

元々抱き上げられるのは嫌いではないのでそのままおとなしくしていると、ぎこちなさはあるが撫でられる。

「みぃやー」

耳のところはくすぐったいからやめろ!

「面白いなお前。レンはもっと無愛想だと言っていたんだが」

あいつは駄目だ。

不器用すぎるし好奇心旺盛すぎ。 

好奇心は猫をも殺す、というのにあいつは底なしだ。

「今日はレンが来れないからな、給食の残りだが我慢してくれ」

「に」

抱っこが気に入ったから許してやる。











こうして、俺はまた1つ暇つぶしの相手を見つけたのだ。



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