なにができる?
なにを与えればいい?
ちっぽけなこの手に
救えるものなど
あるのだろうか?
この身に携えた
二本の手と二本の足には
耳にした悲劇を
目にした世界を
変えるほどの力が
ありますか?

嘆く君に教えようか。
さあ、踏み込んでみれば、
差し延べる手も
駆け抜ける足も
何一つ 必要ないんだと
君は知るだろう。
読み齧った報せ、
耳に挟んだニュース、
偏った現実に踏み込む姿勢で
私は救われるのだと
君は理解するだろう。

終わらない悲劇は待っている
悲劇であることも忘れて
果てしない世界は佇んでいる
下降してゆく矢印に任せて

物理的な救いなどという
無理難題は求めていない
形や行動も選択肢の一つ
けれどもそれ以上に私は
もっとも原始的な欲求が
究極の応えであることを
貴方に焼きつけたいだけ

"I want to know more."

救いという名の呪文を
君に教えてあげるよ。





100331


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