新しい街に出てゆくあなたを
優しく手を振って
見送る私 なんて
何処にもいなくて
気づけば 金の鎖で
あなたを縛り付けようと
もがいていました

きれいな海が見えるんだって
向日葵畑が見渡せるんだって
でも私を連れていってはくれない
星空が美しいでしょ
涌き水が美味しいでしょ
でもあなたは新しい街を選んだ

いつか戻るよ 君の元に
名前を呼べば 駆け付けるから
そんな幻想を夢見られる程
幼ければよかったのに
疑心暗鬼 拭えない
嘘八百 飲み込めない
あなたの顔がわからないよ
ねえ そんな目をしていたっけ?

置き去るなら徹底的に
私を痛めつけてから
投げ捨てなさい
中途半端な嘘なんか
見抜いてしまうから
優しさはいらない

ほら 私の身体を
この鎖で締めつけて
二度と動けないように
二度と追い掛けないように
二度と夢見ないように
二度とあなたを
探せないように
がんじがらめに縛ったら
あの深い沼に投げ捨てて





090929


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
あきゅろす。
リゼ