傷つけることを恐れるなら
最期まで誤魔化して
優しさを捨てきれないなら
最期まで全うして
それができないなら
もう はっきり言ってください
私とは生きられない、と
陽の当たる緩やかな坂道を
手をつないで歩いてた
充足を当たり前に
この腕に感じながら
分かれ道は突然
目の前に現れて
行く先は同じだったはずなのに
何時からか私は
登ることを諦めていた
東と西の間であなたは
一人の道を選んで俯く
南と北の間で私は
独りの道を歎いて頷く
この体に絡みつく重力は
あなたの無益な優しさで
浮かべないと知りながらも
期待してしまえば
瞬時にして残酷に打ちのめされ
諦めと堕落を認めて
振りほどこうとすれば
また複雑に絡みつく
ねえ もういいよ
ほら かえろうよ
生まれた世界を歎くより
限りある時間を喜ぼう
私の死を悼むなら
最期まで傍に居て
背を突き落とせないなら
最期までつかまえていて
それを望まないなら
もう 許してください
私には生きられないよ
090919