※暴力/放尿/淫語






「ごめんなさい、ごめんなさい」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
 何度も何度も謝った。悪い事をしていなくとも、自分が酷くなくても、殴られない様に何度も何度も謝った。

「ごめんなさい、ごめんなさい」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
 何度も何度も謝った。何もしていなくとも、特に悪戯した訳でもなく殴られるから謝った。
 何もしていないのに、とにかく謝った。謝り続けて、狂ってまでも謝り続けた。

「ごめんなさい、ごめんなさい」
「ごめんなさい、ごめんなさい」

 だって毎日毎日謝らないと、
 早く謝らないと直ぐ殴られて、
 僕は一人になってしまうから。
 僕は捨てられてしまうから。


 ――頭が痛い。ずきずきと悲鳴を上げて、顔は頬が軽く腫れて涙が止めなく溢れてきて痛かった。腹は蹴られ、腕を恒られ、髪の毛を力強く掴み上げられた。
 何もしていないのに、僕は大好きな彼に謝り続ける。「ごめんなさい」と。
 何の理由も無いのに、毎日毎日同じ場所を殴られる。それでも彼に嫌われたくないから、僕は謝った。わざわざ土下座してまでも謝った。涙を流しながら謝った。
 無表情な彼が、喜んで許してくれるまで僕は必死に謝った。どんなに殴られ様とも、彼が許してくれるまで死ぬまで殴られ謝った。
 けれどその単純で他人には無関係である願い事は叶わず、寧ろ逆効果で暴行はだんだんと酷くなる。捨てられたくない、捨てられたくないと云う情けない一心でひたすら謝り続けた。

「ごめっ……ごめん、なさいっ、ひぐ、ぁっ……ぅ、ごめんなさっ……ごめんなさい、じまんぐっ」
「…………」
「……ゔあ゙あああッ!! 痛、痛いぃッ、痛いよぉっ――!! ごめんなさい! ごめんなさいじまんぐっ! ごめんなさい、ごめんなさい!! ごめんなさいぃぃッ!!」

 ああ、何をしたら喜んでくれるのかな。
 何時になったら笑って優しくしてくれるのかな。
 一体どうしたら何をしたら許してくれるのかな。
 何で、じまんぐは僕を殴り続けるのかな。

 ただ殴られるがまま、顎を掴まれ無理矢理に上を向かされる。息継ぎが出来なくて呼吸が何度も止まっては、微かにしか酸素を得られず苦しい時期が続いた。痣や跡が出来た汚い身体なんて気にせずに、じまんぐは苛立ちを隠せない様に眉間に皺を寄せて、髪の毛をぐいぐいと強く引っ張りあげる。
 余りの激痛に悲鳴を上げるがまま、解放してもらえる訳でもなく、ただただじまんぐにされるがままに傷付けられた。

 けれど、憎たらしいなんて全く思えず、大好きだから僕は必死にじまんぐを愛そうとした。
 勿論謝りながら、じまんぐに泣き縋って、許してくれるまで何度も何度も、彼が笑ってくれるまで。しかし、彼と僕では性格が違い過ぎる。でも僕はそれでもじまんぐが大好きだった。
 きっと、決して裏切られたくない気持ちが強かったのかもしれない。

「ぅぐ……ぇ、ぅ……許し、て、ごめん、なさ、い……じま、んぐ……痛い……痛い……っ」
「……Revo」
「何でも……する、から、ごめん、なさ、い……じまんぐ、何でも……何でも、する、から……云う事、聞くか……らっ」

 けれど、彼は殴る蹴るよりも、僕に卑俗な行為をさせる事を望んでいた方が強かった。そんな事恥ずかしくて出来ないのに、大好きなじまんぐに殴られてしまうから僕は我慢する。
 お願いします、愛してあげますから。
 殴る事だけは……捨ててしまうだけは止めて欲しい――――


「じゃあ“僕は貴方の肉奴隷であり、肉便器でも喜ぶ淫らな雌猫です”と俺に云い誓えば許してあげますよ陛下」



*



 ――地下室。壁前面が石畳となっている所為か、説教させられる度に反響して谺する嬌声は毎日の如く、絶えず絶えずRevoの口から悲鳴のように零れた。

「ひあっ……はひッ、あ゙、ぁっ! あッ、は……い゙っ!」
「……みっともないですよ陛下。腰をもっと上げないと、入らないじゃないですか」
「ごめ……なさ、いっあ! ああぁッう……ひぃんッ――!!」

 ぐちゅぐちゅと卑劣な水音が結合口から止めなく溢れ、欲望にそそり勃たせたじまんぐ自身が、きゅ、とキツく締まる小さな秘部を激しく突いた。不注意にも、ずり落ちていく腰を逃がさんとばかりに、身体を密着させて、じまんぐは無理矢理にでも逃げようとするRevoの腰を掴む。そのまま追求まじりに荒々しく深く、突き上げた。
 Revoは虚ろな脳内で、何故こんな事をされなくてはならないのか、ふと思い出していた。些細な記憶の奥底に隠れた暗黙の思考が脳裏で駆け巡り、其れが自分を追い詰める方向に向かってしまう。

“ああ、やはり僕が”

“じまんぐは僕が憎いんだ”

“だから、僕を殴るんだ”

“僕が、愛さなかったから”

“じまんぐを愛さなかったから”
“――ごめんなさい、じまんぐ”

 勢い付いた突き上げに、威圧される様な刺激が前立腺から腰へと掛け巡り、しがみつく所も全く以て得る事が出来ず。石畳の壁を引っ掻くようにしてあがくも、避けられぬ快楽のなすがままに、Revoは説教される毎に背中をしならせた。不覚にも、自然とにやり、と不敵に笑みを目の下に浮かばせ、じまんぐは、Revoの華奢な白い身体にさえ容赦なく欲を押し付け、腰を打ち付けて奥へと嬌声を求めるばかり。おかげで半ば苦し紛れであるRevoは、何度目か分からない射精をした所為で、壊れ物の様に身体が敏感になってしまった。

「ふっ、陛下はもう随分と淫乱になったんですね……何時から?」
「ぅあッ……! じま、んぐ……あ、ああッ……んぅ!」
「あれだけ殴られておいて、こっちはまだまだ元気なようで――」

 嘲笑うかのように、くつくつと鼻で笑ったじまんぐの手は、精液に塗れたRevoの平らな胸板を難なく滑らせてあっという間に、Revoの今や全く萎える様子の無い自身に辿り着いた。たった先端への微かな接触でさえも敏感に感じてしまうのか、Revoは思わず目を見開き、素直な身体は意志に反して大袈裟に跳ねた。そんなRevoの反応に気を良くしたのか、じまんぐはそのまま自身を根元から掴み上げる。

「んあ゙ッ……!!」
「くく、濡れすぎですよ陛下。そんなに感じて、こんな事をされるのが好きだったのでは?」
「ち、が……違うっ、違うぅ……!」

 避けられぬ快感に悲鳴と云える嬌声を上げて、びくんと腰を跳ねさせるとRevo自身は更に呆気なく欲を吐き出した。だが、じまんぐの手の動きは止まらない。最初はわざとらしく自身の裏筋を親指で擦りあげては、親指を上へと辿らせる。未だ精液が出続けている先端を塞いでは、じまんぐはRevo自身の尿道の先を抉りとる動きで、溢れる精液を拭う。その動きの繰り返しばかり、更にRevoを激しい快楽の波へと責め立てた。

「陛下にはこれだけで充分なんでしょう? 淫乱には全く以てのお似合いだ」
「はッ、ぅ、あ! んッ、あっ……らめ、らめなのッ、んぃッ……じまんぐ、ぅッ!!」

 快楽に溺れゆくRevoを囁くままに誘い、耳元を舐めあげる。そろそろ限界を超えそうな勢いで、じまんぐはRevoの自身の先端を押し、グリグリと執着に弄りながら急かす様に扱いた。

「このまま……出してしまっても良いんですよ? 然程恥ずかしいお姿になられるでしょうね」
「ふあッ、あっ! ソコばっら、ぐりゅぐりゅっ、しない、でぇッ!! 出ちゃ……出ちゃうからぁ! おひっ、こ……あッ、ああぁっ!!」

 Revoの度々上がる嬌声を無視して、じまんぐの手先がRevo自身を強く握りこんだ瞬間、狂ったように叫びだすRevoの身体がびくんと軽い痙攣を起こす。途端に、溜まりに溜まっていた尿意が我慢ならずRevo自身に絶頂期が最高になると、自身からは勢い良く尿が噴き出した。
 最初は自身から勢い良く噴き出した尿が、段々少しずつ垂れていくのを尻目にじまんぐは笑う。

「おや……随分と多量に出してしまいましたね……陛下?」
「……ッ、じま、じまんぐ……ふぁ、出しちゃ……お願ッ……見なっ、いでぇ……!」
「もう遅いですよ陛下。ああ、これでもう終わりだと思いなんですか……?」
「え……あ、ああ……!?」

 再び動き出す腰。それは不意討ちにも思えたお陰でRevoは悲鳴をあげた。一気に前立腺を刺激されがくりと抜けるRevoの躯の感覚に、じまんぐは察すると不適に口端を持ち上げる。Revoの太股をしっかりと支え激しく打ち付けた。Revoの躯を使えない人形の様に扱い、痛みが増すばかりか意識が遠ざかっていく事を知らず、じまんぐはRevoを犯し続けていく。垂れた尿が秘部に吸い込んで、胎内を突き上げる部分から聞こえてくる淫猥的な音は、更にRevoの嬌声をそそらせ、じまんぐの雄を煽るだけであった。

「くく、陛下、分かりますか? 貴方の此処がすっかり解れ、ぐちゃぐちゃになって……」
「ぅあッ、は……っ、あ、あッ……や、んッ……!!」
「こんな、俺を誘う様な躯で鳴いて……ねぇ陛下? 貴方は誰の何の存在なんですか?」
「やァん……ッ!! あ、あっ、うあぁっ! じま……じまぁっ、くぅ……!」
「答えなさい陛下。さもなくば――」
「あ……あぅ、あ、あああ! い、云いまひゅッ、云いまひゅからぁ!! うァ、イぐぅ……!」

 Revoの胎内を如何にして求める様に上がるピストンの速度に、恐れをなしたのは幾度目なのだろうか。指などでは届く訳が無い最奥をど突かれ、じまんぐ自身のカリが前立腺を擦る度に身体が震えた。
 ぐちゅぐちゅと鳴り止まぬ、尿と精液に塗れた自身を休ませず、扱き続けた所でRevoは一気に、すっかり透明になってしまった欲を吐き出した。
 虚しくも完全にじまんぐの為すがままに、墜ちる所まで墜ちたRevoの澄んだ瞳に、光はもう二度と宿らないだろう。それでもRevoは心の其処でじまんぐを愛し続けた。隅から隅まで犯されようと、殴られようと、じまんぐから離れずにいられるなら。

「陛下。貴方の此処は排出する為にあるんじゃない……貴方の此処は、こうして喘ぎながら、ペ○スを突っ込まれて歓ぶ俺の玩具なのですからね――」

 じまんぐの策略がどんなものか知らず、Revo自身がじまんぐの裏切りに気付くのは何時だろうか――――

「ぁぐ……ひゃ……あ、ふぐっ、あっひあぁッ! ぁう……ぼっ、僕はッ、じまんぐのぉっ、に、肉奴隷であ、り……肉便器れもぉ……喜ふっ、淫らんら雌猫れすぅ……!!」
「……良く出来ました。さぁまだですよ陛下、俺にご奉仕しなさい」
「ひゃ、ふっ……はぁ、い……じまんぐっ、じまんぐの、ひゃめ、なら……ッ」


 しかし、彼が彼と云う鎖に、解放される刻は一生死ぬまで無いだろう――







end.




文章力上げたい。
とにかく淫乱な陛下が書きたかった。鬼畜宰相うへぁ。




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あきゅろす。