※犯罪学×黒冬。拘束/鬼畜/玩具 愛されてみたかった。何て心の底から想っていても、どうせ僕は誰からも愛されないのだ。 「あッ……は、ぐ、あ……ぁ」 「ふん……此れくらいでくたばろうなど思っているのかい? イヴェール……」 息苦さと悔しさで、黒き髪をした冬の天秤――ノワールは涙を流せずにはいられなかった。冷酷さを秘めた茶色の背筋をも震わせるその瞳は、光も無く真っ直ぐで、視線の威圧感だけでも大きく、ノワールは口答えなんて早々も出来ない。自分を拘束している目上の男に、鋭く睨み付けた。 「……こんな事されて居るのに、君はまだ、この私に反論するようだね……」 「いぅッ! ひっ、あ゙ッ――んあァあッ!!」 「まぁ、反論するこそ君らしいんだがね……黒きイヴェール?」 男――クリストフは気に食わないとばかりに見下した様子で皮肉に呟いた。左手に持った二つの小さなリモコンを親指で器用にスイッチを弄ると、ノワールは驚いた様に躯を跳ね上がらせる。腕を両方とも天井から手枷を取り付かれ、足も所謂、M字開脚状態のノワールは、胎内の奥には卵形のローターを更に、男性器型のバイブを押し込まれていた。おまけにノワールの自身には、イけぬ様にと根元に紐で縛られている。動けない体勢と云うのを良い事に、クリストフはローターのリモコンを強にすれば、バイブと共にローターは強く振動を送り出す。通常の人間では耐え難い快感に、ノワールはあられもなく悲鳴を上げた。 「ぐぁ、あッ、あうぅッ!! や、んっ……あっ、あぁんっ! 激しっ……む、無理ぃ……っ!!」 「ふふ……幾らイヴェールが快楽に弱くとも……所詮イヴェールと変わり無い君には、同じと云う事か……」 「五月蠅っ……い、んあッ……! はひっ……あ……ヘンタ、イっ……!!」 張り詰めた自身を強く握り、クリストフは先端を挿し込む様にぐっと親指を押しあてた。そのまま先端に刺激を送ろうと引く形で擦った。根元を縛られたあげく、自身を圧迫される感覚が苦手なノワールにとって、それはもはや軽い拷問に近い。胎内からの刺激と自身への刺激が同時にくるとは思わず、たまらなくなったノワールは甲高い声で喘いだ。 「っ! ひゃ、はひいぃっ……!! や、いやっ……クリス、トフっ……触っ、るなぁッ……!!」 「おや、可愛く鳴いておきながら……勝手にそんな口を聞いて良いと思っているのかね?」 「うあッ……ひ、ああぁ……! だ、れがっ……貴方なんか、に…は……ぁっ」 「クク……そんな君には、どうやらお仕置きが必要な様だ……」 云うや否や、バイブとローターのスイッチを切り、クリストフは、半ばぼろぼろなスーツの内側に手を忍ばせて何かを取り出した。それが、小さなボトルに桃色をした液体が入ったものだった。迷いもせずにクリストフは、口でボトルの栓を取る。 ノワールの顎を掴み上げ、ボトルの口頭をノワールの口元に押し付け中の液体を流し込んだ。 「は、ふっ……!? んっ、んん! んんぅ……ッ!」 「全部……そう全部だ。全部、全部……ふふ、よし良い子だね……」 「はぁっ……はッ……! な、何っ、飲ませた……んだ」 中身も知らぬ液体に不安を抱き、ノワールは問い掛ける。先程より嫌味な程に穏やかな声で耳元で囁かれ、背筋に擽ったさがぞくりと走る感覚に、ノワールは反射的に目を瞑った。 「……これの中身が解るかい?」 「っ……あ、は……わから、な……ッは、はぁっ……! あ……!?」 「媚薬を含めた麻薬の一種だよ。普通の人間では強烈なんだろうが……君は“幻覚が実体化した”イヴェールなのだから、どうせ大丈夫なんだろう……?」 「ぅあ……はっ……はぁッ! あ、あぁっ……は、熱……熱い……っ!!」 「……ほう、どうやら急速性な様だね。まさか君にも効果があるとは」 薬の効果なのか、即座にノワールの身体には変化が訪れてきた。クリストフは物珍しい様な眼差しで見据えていると、ノワールは息が上がるにつれ感じやすくなってくるのが判った。 「今こうして君を犯しているが……逆に犯罪心理者な私でも、警察に捕まりはしないよ」 くつくつと、クリストフの笑みがノワールの苛立ちを引き起こしていく。 だがノワールの顔が熱くなっている所為か、頬が熟した林檎の様に紅く、たまらなくやってきた胎内を掻き混ぜたくなる衝動に、ノワールの瞳からはぼろぼろと次々に涙が溢れだす。身体が熱いと云うだけで卑俗な衝動に駆られてしまう事に、酷く罪悪感を覚えてしまった身体は、もう云う事を聞かない。 「気分はどうだね?」 「はっ、あぅ……も、嫌……だ……ッ!」 「まぁ無理もないだろうね……だがこれはお仕置きなのだよイヴェール……くく」 「ぁくっ……ふぁ、あっ、や……舐めちゃ、あっ駄目ッ……!!」 熱が高まり張り詰めたままな自身を、クリストフの生暖かい舌が舐め上げる。びくんッとノワールは背中を逸らせ、塞がれた両手の手枷はがちゃがちゃと、鎖は悲鳴を上げる。自身の裏筋、透明な先走りが滲んだ先端を舐めただけで、媚薬の効果なのか数秒もせずに絶頂を迎えた。だが、根元の紐が達す事を拒む所為でノワールの身体は限界だった。 「イきたいかい、黒きイヴェール?」 「あ……あァ、あ……イ、きた……クリ、ストフっ……イかせ、て……!」 「なら、その状態で雌猫(シャット)の様に私に泣き縋ってみるんだね。君はイヴェールと同じ淫乱なのだから」 自身の根元を縛る紐を解くも、そう簡単に達させるまいとクリストフは、直接 自身を即座に掴んだ。びくりと身体を大袈裟に震わせ、無意識の内に歯を噛み締めるも、それよりノワールはクリストフの不意討ちに信じられない、と絶望にも似た感覚が強くなっていて。 満足げな微笑みを浮かべた口元の形は、紛れもなく三日月の形の様で期待と嗜虐的に満たされている。裏でこっそりと、ノワールの知らない所で再びローターのリモコンを手に取ったクリストフは、自身の根元を掴む手を動かし秘部から顔を出しているバイブの部分を掴むと、スイッチを一気に強にさせた。それに加えぐちゃぐちゅとバイブを抜き差しさせ、胎内の奥で暴れるローターを更に押し込む様に突っ込んだ。 「ん゙あ゙あぁあッッ!!」 胎内を威圧されノワールは洪水さながら涙を溢れさせ、びくびく躯を痙攣させて限界を向かえる。クリストフがバイブで突き上げるごとに快楽を重ね重ね、ノワールは完全に意識を飛ばしそうになる寸前まで迫っていた。がちゃがちゃと鎖が何度も悲鳴を上げ、ノワールは狂った様に叫びまた快楽を求め、遂にその黒きイヴェールが持っていたプライドは崩れ落ちた。 「あ゙っ、あああああッ!! ひぐっ、ああ! く、クリストフっ、イっちゃ、イッちゃあぁっ!!」 「我慢しなくて良い、イきたいなら早くイく事だね……どうされたい?」 「うあァッ! やらぁっ……クリストフのっ、クリストフのが良いッ! あっ……あ……クリストフので、僕のっ、僕の胎内(ナカ)突いてェっ……!!」 バイブとローターの激しい振動と、クリストフによるバイブのピストンを繰り返すのちに、ノワールはすっかり快楽に貪り始めているため、振動に合わせて腰を振っていた。あれ程嫌がっていたのに、後から自ら快楽を求めてしまうのが、理性が崩れたと云うのだろう。今のノワールには理性など持てず、ただクリストフの欲しさにただただ動けぬまま刺激を求めるだけで他ならぬものに、ならなかった。 「随分と堕ちてしまったものだね……お仕置きのつもりだったんだが、これでは……」 「……はっ、あひっ……! も、貴方のっ、クリストフのでっ、僕の……僕のお尻マ○コにっ、あっ、あ……たくひゃんっ、びゅ、びゅくびゅくしてぇ……ッ!!」 「成る程……仕方ない、特別に可愛いがってあげよう……っ」 ノワールの、自身から溜りに溜まって溢れてしまった精液に濡れている秘部は、随分と緩んでおりクリストフがバイブを抜き出すのに時間は掛からなかった。ローターも胎内から取り出したクリストフは近くの床に投げ捨て、自らの自身を一気にノワールの秘部を突き挿した。 「ひああぁッ!! あっ、んくッ……は、もっと、もっ……奥、奥らのぉっ!」 「くっ……やはり淫乱な子だね……だが、私には他にも云う事があるだろう、イヴェール」 「んあっ、あ! あ……ぼ、僕ぅッ……も、無理ッ……や、だ、イっちゃ、イっちゃう……!!」 「まだ解っていないようだね……」 クリストフの自身を美味しそうに咥え込む秘部は、感じるままにヒクついて締め付けていく。動かせない躯で必至にクリストフ自身を受け入れ、ノワールは意識の虚ろな頭ではもう、何でも良かった。 何度も何度も前立腺をクリストフが突き上げる度に、ノワールの背骨が鳴る。悦びに満ちた嬌声と比べればなんでも無いだろう。 ふと思えばクリストフは、ノワールが何処まで快楽を受けたがっているのか解った。 本当は、この黒きイヴェールは、誰かに構って欲しかったのだと。 このノワールが存在しだしたのは、大体は闇から生まれた寂しさからだった事を思い出す。ノワール自身も何故だったか、と知らない様子であったが、それは敢えてこのノワールが抑えていたと云うのだろうか。 (ん…………?) それまで、クリストフにも良からぬ歪な愛を覚えてしまうに否定はし無かった。存在しざるを得ない黒きイヴェールを自分のモノにしたとして、ノワール自体をこれ以上、どれだけ檻の鎖に繋げていれば良いのだろうか。そんな深い考えよりも、このノワールを犯してまで愛そうとしている事が強かった。 では今まで、ノワールを愛していなかったのは何故だったのか。 「ああぁ――……ッ!!」 クリストフが考え事に浸かっていると、不意に黒きイヴェールは身体をしならせてから、勢い良く達っしてしまった。腹を汚す白濁を感じ、荒々しく呼吸を繰り返すノワールをクリストフは見下ろした。 ヤり過ぎたか、と落ち着かせるようにノワールを寝かせて、秘部から自身を抜いていく。ごぽり、と精液が溢れるのを尻目にノワールの両手を繋いでいた手枷を外した。 最後に、黒きイヴェールの額にキスを送ると離れようとした矢先、ノワールの解放された手が呼び止めた。 「ふあ……ッ、あ、クリストフ……あ……ぁ、う……好き……ぃ」 「……イヴェール?」 「っ……ふ、ぇ……愛して……僕を……愛し、て……クリストフ……」 瞼を瞑った目の端から、零れ落ちる涙。クリストフは驚きを隠せずに固まっていると、ノワールの口から零れた言葉は愛して欲しいと云う、思った通りの言葉だった。 愛して欲しい。それだけの想いを云えなかっただけ、哀しみが深かった黒きイヴェールは、薄くクリストフに向けて微笑んだ。 end. 珍しくクリノワ。淫語楽しい。 お粗末様でした。 修正 2011/02/12 |