愛してる。
 でも大嫌いだ。

「……フランボウ」
「何だ、レイヨン」
「愛してる」
「急に珍しいな」
「……駄目なのか?」
「いや、寧ろ嬉しい」
「じゃあ愛してる」

 本気にするんじゃない。
 もしこれが、上辺だけの言葉だったら。
 貴方はどうするのだろう。

「フランボウ……」
「さっきから何だ、誘ってるのか?」
「ああ。そうとも云える」
「……腕は痛くないのか」
「そのうち生えるだろ」
「ほお……」
「なぁ、フランボウ」
「名前呼ぶな。襲うぞ?」
「フランボウならいい」
「……気まずい」
「お前は、フランボウは俺を愛してる?」
「では無かったら此処には居ないだろう」
「……嬉しい」

 どうでも良い会話、なんてお前は嘲笑ってるんだろうな。
 だって、


“ちっともこっちを向かないから”

「……フランボウ」
「どうした?」
「首、もぎたい」
「急に怖い事云うな」
「フランボウのその眼帯してる目、指突っ込んで抉りたい」
「……流石に嫌だな」
「その下、目玉あるんだろ?」
「もう腐ってるんじゃないか?」
「じゃあ食べたい」
「嫌なプレザントリーだな」
「愛してるから良いだろ?」
「…………」

 ああ、何で其処でだまるんだよ。
 やっぱり愛してるなんて嘘なんだろうな。
 愛してるんなら眼球くれたって良いと思うのに。

「……どうしても?」
「確かに愛してるが、目玉食うのはないだろ」

 あ、なら愛してるのか。
 嬉しいな、愛してるならいいや。









「嘘だ。本当は俺の事愛していないくせに」





end.






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