*盗賊s+賢冬+女
突然、ある朝(昼か夜)……いつものよう0502青年が目を覚ますと……
「……ん、んん――……ん?」
寝具(ベッド)の横0502は優しい賢者……そして小さな“ミシェル”が居た……
小さな者≠大きな者
「えええぇぇええ――――!!!?」
朝とは云え、昼か夜かも分からない狭間に佇む家屋敷に、あたかも異性物を見た様な目を疑わせて叫んだ。何の光景を見て叫んだのかは、知る由も無いが、そりゃあ冬の子だって大声出しますもの。まぁ不思議では無い事なんだけれども。え? 冬の子は叫ぶキャラじゃないだろう何云ってんだ? 細かいなぁもう。
取り敢えず声を抑えろ冬の子。
イヴェールの叫び声を近くで聞いたもんだから、起きるのが当たり前かの様に、賢者――もといサヴァンが目を覚まし、身を起こした。 起きたサヴァンに気が付いたイヴェールは、咄嗟に顔を向けると再び「うわああぁぁぁ!!!!」と叫んだ。それは二度目の雄叫び。
「……何事かね、イヴェール」
「さ、さッさささサヴァン! み、ミシェルが! ミシェルが!!」
「ミシェル? ……すまないが私から見るとミシェルは……のわああぁぁぁ居たあぁぁ!!!!」
サヴァン、お前も叫ぶのか。
『……Bon jour? んふふ……』
*
彼女の名は“ミシェル”――
正確にはその呼び名が本名……通称は全く以って殺戮の宝石……
皆が初めて彼女と出逢ったのは……今日の日の朝(昼か夜)……ふかふかな白の寝具だった……
サ「ちょっと待て!! どっかで見た事あるぞこのナレーション!!」
盗冬「ナイスツッコミ、ローランサン」
サ「Σいやアンタも驚けよイヴェール!」
あれから咄嗟に、家屋敷の二階から三階の寝室に駆け付けて来た盗賊のイヴェールとローランサン。思わず某サイトにて使ってたネタの黄昏の賢者の替え歌に、流石、良く気が付いたね☆
サ(いやみに何かウザい……)
え、何よウザいとか云わないの。
賢「……で、天秤のイヴェールはと云うと、この小さき姿をしたミシェルを飼いたいと」
盗冬「……まぁ天然だしな」
サ「アンタが驚かないのが全くの不思議で仕方ないよ……」
シンプルなテーブルに置かれたティーカップに、賢者は潔く紅茶を注ぎ、盗賊の二人は寝具に腰を沈めて珈琲を飲んでいる中で、一方のイヴェールはと云うとお気に入りのソファーで、小さくなってしまった謂わば“ミシェル”を抱き締めていた。何という状況か色々と指摘したいが敢えておいておこう。
賢者は、冬天秤のイヴェールが気になって仕方ないのか心配げに視線を送っている。そんな賢者をお前は過保護か! と内心ほざいているローランサンに構わず、盗賊のイヴェールは特に気にして居ない様子だった。と云うか興味無いと云うべき所だろう。仕方がない、賢者は常にセクハr...
それよりも第一の問題は、何故ミシェルが小さくなってしまったのかだった。
珍しく頭も良い筈であろう賢者も分からないらしく、冬天秤のイヴェールを気にしていながら、ミシェルが小さくなってしまったのを考えていたらしい。いや単にイヴェールが心配なだけらしいが。