※?+冬 何だか、身体がふわふわするのを感じた。 僕は、身体がふわふわと垂直に堕ちていくのを黙ってするしかなかったんだ。 ただ、一人で深い深い闇へと堕ちていく。風の音さえ聞こえなくて、視界も真っ暗で何も見えなかったけど、何故かとても安心出来た。 この深い深い闇には何があるのか解らないけれど、僕は頭から垂直に堕ちていくの何か構わず、そのまま堕ちれば良いと思った。 だってこのまま堕ちれば、あの人に会えるから。 僕はもう、一人じゃないから。 僕にはあの人が居るから。 本当はサヴァンと繋がりたかったけれど、僕は元からθんでいる存在だから、人間のサヴァンと繋がりを持てない事は解っていたから。 あの人も、昔は一人ぼっちだったんだって。 だから、僕も逝けばきっと一人じゃないから。 今までに見た真実よりも、知られざる幻想の楽園と奈落に弄ばれるよりも、運命に逆らえぬ奴隷達の英雄よりも、彼女が創りだした第×の地平線が見せた物語よりも、ずっと――×××に囚われた方が、僕にとって幸せだから。 だから、僕はあの人に会うため堕ちていく。 深い、深い闇の底へ。 “ヤァ冬ノ子ヨ……真実ト嘘ノ幻想カラ目醒メタカィ?” ――深遠の底で、θを見た。 end. |