ある日のこと。


「暇だな、何しよう……」


 どんどんどん。


「Revoちゃん、Revoちゃん!」
「……ん?」
「Revoちゃん! 突然来てごめんよ、開けてくれるかな?」
「急になんだよじまんぐ」
「まあ取り敢えず開けてよ」
「仕方ないな。あれ、窓開いてない? 分かったちょっと待て」


 ガラガラ。


「で、どうしたんだ」
「いやー、ただRevoちゃんが休んでるホテルが近いから会いに来ただけ」
「帰ってくれるか」
「ああごめんごめん、冗談。それでさ、さっき起きた事なんだけど」
「……う、うん?」
「家にバイクあったからさ、車ばっかりだったから久し振りにバイク乗ってみたんだよ」
「ちょ……ちょっと待てじまんぐ。その前に」
「まあまあ聞いてよRevoちゃん。近くにさ、河原あるじゃない? それでね、そのバイクでそこら辺走ってたのよ」
「……うん。それで?」
「で、暫く走っててさ、何かおかしかったんだよね」
「おかしいって何が」
「なーんかよくわかんないんだよ。だからバイク止めて降りたんだ」
「うん」
「バイクのチェーン掛けたままだったんだよ」



「……は?」
「だからチェーン掛けたままだったんだんだよね。タイヤ回れない感じ」
「それでどうやって走ってたんだよ」
「それが判んないんだよねー。いや、その時までは走れたんだよその時までは。でもねーその後駄目だったんだよ」
「……駄目というのは?」
「チェーン掛けてた事に気付いたらそのバイク走れなくなっちゃったんだよ、残念ながら」
「へぇ……それは軽い災難だったな」
「なんでだろうねぇ。……そういえばRevoちゃんさ、何かさっき言い掛けてたよね。何だったの?」
「あ、あぁ、うん……えーっと、お前さ……」
「んー? 何、会いに来てくれたのが嬉しいって?」
「なッ、ち、違う!」
「違うのー?」
「うん……っていうか……お前……」







「此処……ホテルの六階なんだけどさ、お前どうやってそこに立ってるんだ?」







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