※沖神現代兄弟パロ
沖田は神楽の義兄弟。
(血の繋がりはない)
7歳年が離れてる設定。
反抗期?な神楽ちゃん。
「そーごのこと、カルピスアイスよりも大好きネ!!」
「俺も。神楽のことカルピスアイスよりも愛してまさぁ。」
そんな会話がなされた後、総悟に抱きしめられたままの神楽は笑顔で彼にほっぺチューをプレゼントする。自然と総悟の頬が緩むのも無理はない。
「神楽おおきくなったら、そーごと結婚するアル!」
「絶対だな?」
「うん!!」
今度は総悟が神楽の唇に ちゅーをプレゼントする。シスコンだろうが、変態ロリコンと思われようが何だっていい。
こんな可愛い義妹を前にして、溺愛できない方がどうかしている。
幸せなでラブラブな義兄弟。
しかし、人は成長する。
それは自然の摂理。
あれから10年。
総悟は、暗い夜道を家に帰るために歩いていた。夏が夜でも暑い。スーツを着ているせいでもあるが、背中にじんわりと汗が滲む。
それでも総悟は、その暑さに耐えて歩き続ける。
可愛くて、愛しい義妹が待っている我が家へ帰るために。
警察官というのは、公務員の中でも1番ハードな職業だと思う。
大学を卒業してからまだ一年足らず。
新米警察官として、上司にこき使われる毎日。
早く尋問とかできる立場になりてぇ。
そしたら・・・・。いろいろ好きに・・・・。
まぁそれは置いておくとして。
そんな疲れ果てた俺は家のドアを開けながら言った。
「ただいまー。」
しかし返事はない。
総悟と神楽は基本二人暮しのようなものだ。神楽が母の再婚相手の連れ子として、紹介されて以来、ずっとそんな生活を続けている。
両親はというと、2人とも仕事が忙しくて年中海外出張。年末と夏休みに帰ってくるくらいである。だったら何故再婚などしたのだろうという疑問が浮かぶが、両親が再婚して早12年。もはや気にもならない。
もう夜中の12時。
神楽は帰宅しているはずだ。というか帰宅してないなど大問題だ。そんなことを総悟が許すはずもない。
神楽の門限は19時と決められていた。以前、神楽が19時5分過ぎに帰宅しただけで総悟は神楽に何処へ誰と何の用事で出掛けていたのかと問い詰めた。
その時 神楽は「塾。」と言い、総悟はとりあえず納得したが、よく考えてみれば神楽は塾など行っていない。行くわけがない。
自分は嘘を吐かれたのかという衝撃的かつショックな事実に今更気が付きつつも、今は神楽の「おかえり」の返事を聞く方が先である。
「ただいまー。」
もう一度言ってみる。
だが、まだ返事は聞こえてこない。
リビングのドアを開けて中に入る。クーラーの効いた部屋は、まさに天国。そしてすぐに、リビングの真ん中に置かれているベージュのソファーから愛しい義妹の桃色の髪がはみ出しているが見える。
「いるなら 『おかえり』くらい言えよな。」
総悟が半ばふて腐れたように呟くとソプラノの可愛らしい声で返答された。
「うるせーヨ。いちいち。ウゼー。」
「……………。」
しかも携帯をいじったままで、兄である総悟の方を見向きもしない。ボタンをカチカチと打ち続ける音だけが空間に流れていた。最近の若者は携帯のボタンを打つ早さが半端なく早いなと感心しつつ、総悟は妹の言葉に傷つく。
最近の神楽に対する総悟への態度は、このような感じが多かった。
何というか・・・冷たい。
もしかして反抗期か?
いや、でも反抗期って普通 父親に対して行われるもんだろぃ?
頭の中でぐるぐるとそんなことを考え出すと止まらなくなる。いてもたっても居られなくなり、思わず神楽に尋ねる。
「神楽、俺のこと好き?」
さらに静まり返るリビング。
神楽の携帯をいじる音だけが響く。
10年前なら、即答で「もちろんアル」だった。語尾にハートが100個付で。
暫くして返ってきた返事は・・・。
「・・・キモいアル。いい歳して変なこと言ってんじゃねーぞ。」
「・・・・・・・。」
昔のあの神楽は何処・・・?
天使のような笑顔ではなく、今自分の目の前にあるのは、自分のことを軽蔑しきった神楽の表情のみである。変態ロリコン野郎を見る目で俺を見ている。
めげずに、とりあえず神楽とのコミュニケーションを図ろうと総悟はスーツを着替えようともせず、暫くソファーの横に立ち神楽の横に座ろうとした時だった。
「じゃーな。変態兄貴。私、先寝るアル。ポリゴン趣味も程ほどにしとけヨ。」
と神楽は一言言い残すと、ソファーから勢い良く立ち上がると、目にも止まらぬ速さで自室へと戻っていった。
がすぐに再びドアが開かれる。神楽が顔を覗かせながら先程の言葉に付け加えるように言った。
「兄貴、さっさと結婚した方がいいアル。そのポリゴン趣味のままじゃ婚期逃すネ。」
「じゃーな。神楽様の忠告有り難く受け取れヨ?おやすみ。」
「おやすみ・・・・。」
ソファーにポツリと残された総悟は消え入るような声でそう呟く。ソファーに座ろうとして浮かしていた腰を上げると、そのまま冷蔵庫に向かい、カルピスアイスを取り出した。
「そーごのこと、カルピスアイスよりも大好きネ!!」
「神楽おおきくなったら、そーごと結婚するアル!」
カルピスアイスを口に入れながら、総悟の頭の中で響くのは昔の神楽の愛らしい声と甘い思い出。
実は10年前の約束を信じていて、いつ出しても良いように婚姻届がキッチンの奥の引き出しに入れてある なんて言ったら、神楽はどんな顔をするのだろうか。
俺がいつまでも結婚しない理由も・・・
神楽が分かってくれる日は果たして来るのだろうか・・・・。
口の中で溶けたカルピスアイスの甘さを味わいながら、そっと目を閉じた。
あとがき
沖→→→神ですね。(笑
しかも終わりが中途半端…めちゃくちゃ駄文ですが、お雪様に捧げます。ごめんなさい><文才ない故に、こんなものしか書けませんが・・・。お雪様、宜しかったらお持ち帰りして下さい><もちろん気に入らなかったらスルーで構いませんので・・・。
フリー絵二枚も戴いてしまい、本当に有難うございましたww