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『よくある奇跡』
慎吾「……みんなさぁ、同じ楽屋でどうして誰も話さないの?」
剛「…あ、慎吾おはよー」
吾郎「おはよう」
木村「お疲れーっす」
中居「……」
慎吾「いやいやいや、違くて。みんなそれぞれ別のことやっちゃってさぁ」
木村「今日の晩飯何食おうか考えてた」
吾郎「舞台の台本読んでた」
剛「えっと、ぼーっとしてた」
中居「……」
慎吾「うん。別に、別にいいんだけどね。中居くんだけスルーするとか別に気にしてないんだけどね」
木村「あ、拗ねた」
剛「ほら、俺がいるから大丈夫だよー」
吾郎「楽屋に入ってくるなりどうしたの?」
慎吾「……これなんだよね。俺らが不仲って言われる理由」
木村「あぁー……そういうことか」
吾郎「え?どういうこと?」
木村「会話がないのがイヤ。もっとイチャつこうぜってことだろ?」
慎吾「う、まぁ直訳すると。二十代のときとかの青春時代を思い出そうよー」
剛「んー…若かったねぇ」
慎吾「しみじみしないで!……こう、もっと仲良くしようよみんな」
吾郎「別に仲悪くないでしょ」
剛「仲いーじゃん」
慎吾「なんか…違うんだよなぁ。昔はもっとバカだったっていうか…常識知らずというか」
木村「じゃあ今は常識知ってるってことだろ。いーじゃんそれで」
慎吾「うー……ねぇ中居くん、聞いてるの?」
中居「……」
吾郎「あれじゃない?ぬいぐるみ抱えてるってことは寝てるんじゃない?」
剛「そういえばさっきから静かだねー」
慎吾「……こんな一大事にリーダーだって寝てるし」
木村「え、今一大事なの?」
慎吾「だから、もっと、みんなでいたいんだよ……」
吾郎「……」
木村「……」
剛「あ、見て見て。中居くんの寝顔かわいー」
慎吾「ちょ、このシリアスな空気でそういうこと言う?」
剛「だってすっごい気持ちよさそうに寝てるよ。これでアラフォーなんて信じられないよね」
木村「いい年してぬいぐるみ抱いてるなんてな……」
吾郎「写真撮っとこうか」
剛「ぬいぐるみどのくらい持ってるんだろーねぇ。結構バリエーションあるみたいだけど」
慎吾「……」
木村「……慎吾、こういうことだよ」
慎吾「え?」
木村「俺らの関係。今も昔もそんな変わってねぇだろ?」
慎吾「……うん」
剛「うわー、なんか照れるね」
吾郎「なんで剛が照れてんの」
木村「はいじゃあ慎吾くんお答えください!」
慎吾「え!?いきなりクイズ?」
木村「こうやって俺らがみんな一緒にいられるのはどうしてだ?」
慎吾「――よくある奇跡ってやつ、だね」
中居「(……ほんとめんどくさいヤツら)」
(めんどくさいけど、大切な奇跡)
end.
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