虚
2024.06.05 Wed 14:22
薄汚れたカーテンからせせら笑うように午後2時の光が真っ直ぐと伸びている。
僕はどこにも行けないのに。グレーに沈んだこの部屋にただ一つ引かれた黄金色。
どこまでも穏やかに続く時間は個体を捉えずただ優しく息吹の循環を見守っている。
重い体を曳き擦りながら窓辺まで移動すると、無色透明の屑星がキラキラと僕を包み込んだ。
どこへ行ったんだろう。お母さん。
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