ねえ、だいすきだよ、……今だけだから。
 2010.04.03 Sat 02:10



だいすきだった人に最後のお別れをしました。いや、けして亡くなったわけではありません。



好きでした。
大好きでした。
きっと愛していました、彼がいなければ狂ってしまうほどに。

きっときっと、辛い思いをたくさんさせた。

本当は薄々気づいていたんです。彼の行動の意味にも。
あんなにも私に冷たく当たっていたのは私に嫌われるためだった、と。
「ごめん」と、彼らしくもない台詞を何度も呟いた。

胸が苦しくなった。
謝るのは、私のほうなのに。

今更だけど、もっと…支えられれば良かった。

嘘で塗り固められたあの人の壁に、もっと早く気付いていたら。


私たちは今、幸せな道にいたのかな。


普通の学生とはきっと何もかもが違う感覚。現実を知り過ぎていた私たち。
罪と戦っていたあの人。
守るもので両手いっぱいだった私。



私のこと好きだって、そういった彼に、ありがとう。幸せだよ。と伝えた。

心からの気持ちだった。
だから支えさせて欲しい、と。
お願い、と。

あんな声が自分から出たのが驚きなくらい、かすれて、絞り出された辛い音。


だけど返ってきた答えはやっぱり謝罪で。

ずっと好きな人がいる、今も忘れられない。と。
それは中学時代彼を支えてくれた人。

私は勝てないの?かわりにはなれない?
……かわりで、いいから、だから、お願い…。


なりふり構ってられない。支えたかった。

だけどやっぱり、かわりになんてなれるはずはなくて。





ありがとう。

ごめん。


何度も繰り返して、電話を切ると同時に…私たちの曖昧な境界線は消えた。




「電話切ったら、もう好きって言わないよ。忘れるから。最後だから。……好きだよ…、だいすき。ありがとう、………好きだった……。……ばいばい」






伝えたいことは全て伝えた。
好きな人がいるなら応援するよ、私。

その子が彼を支えてくれる。
私なんかより、もっと、ずっと。

悔しいな……。
私のほうが好きだよ。
私のほうが、私のほうが、ずっと…想ってる。
こんなにもだいすきだった。


気持ちばかりで、支えてあげられない私を許して?
ごめんね。
幸せになってよ。

ごめんね。
もう泣かないで。
痛みを負わないで。

私がかわりに泣くよ。
両手に入りきらない痛みなら背負ってみせよう。





今は泣かない。
これは夢、朝がくれば覚める、夢。







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