雲雀(ちょっとお下品)
「くふちっ」
「…何今の」
「ぐずっ…うぅ、くしゃみですよ。風邪引いたみたいです」
「(くしゃみ……)へぇ、風邪?珍しいね。大丈夫なの?」
「ええ、熱はなくて。ただくしゃみが…っくふん!はぁ、鼻が…」
「また君、お腹出して寝てたんでしょ。だらしないね、僕がいないと何もできない」
「出来ますよ。お腹は…まあいつも出してますけど。原因はそれじゃなくて、一昨日水を被った事にあると思います、多分」
「水?またなんで…まさかその房から実が成ると思っているのかい?骸、目を覚まして!君は似ているけど、あの果実じゃないんだ!」
「あなたこそ目を覚ましてください。ついでに可笑しな頭も冷やしてください。実は、ナミモリーヌに行った帰りに、沢田綱吉の家の前を通りかかりまして」
「ナミモリーヌ、って…またかい?君ね、言いたくないけど食べ過ぎだよ。今月で行ったの何回めだい」
「うっうるさいです!べつばらです!ほっといてください!…で、沢田綱吉の家を通りかかると何やら騒がしかったんですよ」
「あそこはいつも騒がしいだろ」
「一段と、です。そして何かと思ってブロック塀から庭を覗き込んだら、あの…牛の服きた…ええと」
「うん。あの牛ね」
「…はい、あの牛です。その牛がバケツを持って、沢田綱吉と駆け回ってたんです。そしたらいきなり転んで。バケツがこっちに飛んでくるのと同じく、中身もぶちまけられて」
「ぶ、ぶちま…っ、骸にぶちまけていいのは僕だけだよ!許せないね沢田綱吉…僕の骸に…」
「いや、沢田綱吉は関係ないんですけど…。お詫びにお茶ご馳走になりましたし」
「許せない、咬み殺して二度と骸に近づけないようにする必要があるよ」
「あの、雲雀くん?」
「よし、骸。僕ちょっと出掛けるから。温かくして大人しくね。分かった?」
「分かりましたけど」
「じゃあね、帰りに桃缶買ってくるから楽しみにしてて」
「も、桃缶!早く帰ってきてくださいね!桃缶食べたいです!」
「うん、いい子でね」
「はいっ」
(あ、だから沢田綱吉は関係な…、まあいいか…)
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