雲雀誕生日2011(雲骸)

 
「雲雀くん、見て」


「なんだい」


「かたたたたたき券です」


「…うん?」


「かたた、たたかた…たた、た…ええと」


「ワオ、言えないのかい骸、可愛いね」


「肩叩き券!あ、言えました。かたたたたき券です、雲雀くん」


「うん、せっかく言えたのにね、噛んじゃう骸可愛いよ。ところで肩叩き券がどうかしたのかい」


「今日は雲雀くんの誕生日でしょう?でもいいプレゼントが思い付かなくて。だからかたたたたたき券を雲雀くんにあげます!」


「誕生日覚えててくれたの?何それ感動した。でもなんで肩叩き券…」


「嫌ですか?雲雀くん、デスクワークばっかりなのでこってるかと思いまして」


「こってないよ」


「そうなんですか?雲雀くんの肩、もみもみしたら喜んでくれると思ったんですが」


「いいね骸、もみもみってもう一回言って」


「じゃあ、何がいいんです?お金は無いんで高いのはちょっと…」


「あれ?無視?…そうだね、1日服従券なんてどうだい?」


「どうだいって、下心見え見えです。僕は純粋に雲雀くんを祝いたいんですよ」


「誕生日くらいいいだろ。たまにはデレを見せなよ」


「おやおや、ツンツンした僕が好きなドMさんが何をおっしゃるやら」


「勘違いしないで、僕は生粋のSだよ」


「くふふ」


「骸、服従して」


「やです。どうせする事決まってるくせに」


「どうして?嫌かい?」


「嫌じゃないですけど、綺麗に祝いたいんです。あ、そうだ雲雀くん、ケーキ食べましょう」


「買ってあるの?」


「買ってはないです、ちょっと待って下さいね…。…はい!じゃーん!」


「ワオ!でかっ!」


「お手製チョコケーキです。愛情込め込め作りましたよ」


「お手製?骸が?」


「そうですよ、力作です」


「凄いね、嬉しいよ骸。ありがとう、キスさせて」


「ケーキ食べたいです」


「骸」


「ケーキ!」


「照れ屋だね、可愛いよ。じゃあケーキ食べてからならいいかい?」


「お好きにどうぞ」


「ねえ、服従」


「…お好きに」


「ワオ、早くケーキ食べなきゃ」


「…くふっ、ちゃんと味わってくださいよ。時間かけたんですから」


「骸、来年はでっかいモンブランがいいな」


「否、チョコケーキです」


「君が食べたいだけだろう。たまには僕の要望聞き入れなよ」


「さっき聞き入れたじゃないですか、あれじゃ不満なんですか」


「っそ、そんな事無いよ、ごめんね、骸。来年もチョコケーキがいいな」


「無論、再来年も、その次も、ずーっとチョコケーキです」


「そうだね、死ぬまで骸のお手製がいいよ」


「くふふ。雲雀くんは物好きですねー、しょうがないからお望み通りにしてあげます」


「うん。約束だからね。…ケーキ食べなよ、早く」


「はいはい」


「美味しいよ」


「当然です。あ、言い忘れてましたけど雲雀くん、誕生日おめでとうございます」


「それベッドで聞きたかったよ」


「なら後でもう一回言います」


「あと、骸」


「はい?」


「肩叩き券、もう一回言って」


「はい?」


「肩叩き券、も」


「はい?」


「…ごめん」

 



 



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