不毛な駆け引き(骸←白)
「ね、骸くんを落とすにはどうしたらいいの?」
「それを僕に聞くんですか」
「一番分かりやすいかなって!ねぇねぇ教えてよー。どうしたら僕を好きになる?」
「…まずストーカーしなくなったら考えます」
「え?やだな骸くん、してないよ。してないから考えてくれる?」
「あなたがいるのはどこですか?」
「ん?骸くんの部屋!」
「部屋のどこですか」
「ベ、ベッド」
「の?」
「の…、…下」
「おやおやストーカーさん、いい加減にしないと通報しますよ。…復讐者に」
「ちょっ、ダメだよ嫌だよこぽこぽしたくないよ!」
「なら今日から僕の部屋に…いえ、うちに勝手に入るのは止めてください」
「う、うん。やめる。でも寂しいんだよ。ほんとはずっと骸くんと一緒にいたい!」
「重い!あなたの好意が重いんですよ!引きます!ストーカーしてる時点でドン引きですけど」
「そのくらい好きなんだってば!分かってよ…、じゃないと」
「拉致監禁したら絶交です」
「…っ!し、しないよ!」
「あ、わかりました白蘭。あなたを好きになってさしあげます」
「えっ?え、ちょっとなに?超展開!」
「でも条件があります」
「うん、なになにっ?」
「僕に今後一切触らないで下さい」
「いや無理でしょ」
「ならお断りですよ、とっとと出ていってください。というか、あなたいつまでベッドの下に……いえ何でもないです」
「で、でも…ちょっとは触りたいよ!なんで?なんで駄目なの」
「愛し合うなかで触る必要は無いでしょう。僕はプラトニックな恋愛がしたいので」
「…そしたら僕を好きになる?」
「さあ?あなたの頑張り次第ですね」
「話が違うじゃん」
「恋愛は感情でしょう?条件満たせば必ず好きになるもんでもないですし。さっきの約束は、好きになる条件の一つだ、ってだけですよ」
「…まだまだ条件あるの?」
「くふふ、どうでしょう」
「…話しかけてはいいの?」
「触れないんじゃ話すしか無いでしょう」
「そっか。骸くん、僕帰る」
「おや」
「合鍵も返すね」
「いつの間に作ってたんですか、ていうか十個って」
「無くしたときの予備だよ、用意周到でしょ」
「さすが脳がマシュマロな人はやる事が違います、感服しましたよ。悪い意味で」
「明日から、骸くん、覚悟した方がいいよ!本気で落としにいくから!」
「くふふ、楽しみにしてますよ」
(半年前もおんなじやりとりしましたけど、この人覚えているんでしょうか。…愚問でしたかね)
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