「綱吉くん、今どのように歩いていますか?」


「え?え?なんなの急に」


「あなたは自分の歩き方に疑問を持つことはないんですか」


「歩き方って。交互に足出せばいいだけじゃん」


「そうです。でも何故交互?何故手は反対に振らないといけない?ねえ、不思議な歩き方ですよね」


「利にかなった歩き方だと思うけど。バランスをとって、前に進むための最善の方法でしょ」



「だとしても。そのバランスって微妙じゃないですか?ね、綱吉くん。今どうやって歩いてます?それはほんとに歩きやすい?」


「歩きやす…、おいお前ちょっとやめろ。なんか意識しちゃうと歩きにくいだろが」


「どうして今まで意識しなかったんですか。あなたの間抜けな歩き方を見直すチャンスでしょう」


「うわ、イラっとする。ってマジでなんか違和感…っ、どうしてくれるんだよ。ぎこちなくなってきた。なんか自分の歩き方に違和感が!ちくしょうっ、骸!」


「くふっ!」


「お前最初からコレが目的だったろ!ああもうっ!早く帰って、ゲームして忘れたい!」


「そうですね、それがいいです。……ところで綱吉くん」


「今度は何」


「あなたはどのように息をしていますか?」


「骸てめえええっ」


 



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