無題
 2012.06.29 Fri 19:05
じゃあそん時はお前が俺を殺してくれよ。

そう真顔で言った、痛みが怖くて怖さが嫌いなお前に俺は何て言ったらいいのか分からくなって、いつものように笑ってから、ふと。

最期を俺の手に託すなんて、お前、俺のことすげぇ好きだな。

俺、お前をちゃんと殺せるか分かんねぇのに。

なんて。

今、世界全部に警戒心張り巡らせてるお前の横顔をぼんやりと見上げた。

殺せるわけがない、男の顔を。


(お前は、ぜってぇ一人じゃ死ねねぇよ)

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