おいしいコーヒーのいれ方 現パロシロ次
2012.02.04 Sat 11:07
※ 捏造です。
例えば、猫舌の僕らは温い珈琲じゃなく、いつだって熱すぎるくらいの珈琲を煎れることにしている。そうすれば、冷めるのを待つ間、僕らの手を温める熱を共用しながら同じ世界に生きていられるから。
「そんなことよりさ、シロ」
けれど先輩はいつだって僕の小細工や、どれだけあなたのことを思っているかを表す些細な動作に気づかないふりをして、
「俺はお前の手が握りたいんだけどな」
最上級の温かさと、無自覚な愛を無造作に置いていくから、僕はいつものように何も言えなくなってしまう。
「僕もです」
そう呟けば、珈琲は冷めてしまっていた。
―――――
二人とも猫舌だったら可愛いなぁ、なんて。
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