足して二で割って 現パロ不破と♀竹
2011.12.20 Tue 00:24
頼む。
瞬間、柄にもなく信じたことのない神に祈っていた。もちろん、無神論者には女神さえ微笑まないことは分かっているのだけれど。
無理やり二の腕を引っ付かんでこちらを振り向かせる。驚いたような灰色の瞳がこちらを見上げてくる。
やったか、と思ったのも束の間。持ち上げてから落とすなんて、やっぱり世界は意地悪。
彼女は少し戸惑っているかのように、それでも瞳は真っ直ぐに固定したまま口を開く。
「不破君?」
ほら、ね。神はいないんだ。
「は?なに言ってんの、俺は鉢屋、」
「不破君、どうしたの、鉢屋君になにかあったの?」
話を聞いてよ、とは思うけれどべらべらと話続けられるのには生憎慣れている。いや、慣れさせられた。そう、「鉢屋君」のせいで。
彼女は絶対に間違えないんだから。嫌になる。なんでお前は、自分の顔を剥がして心の中に土足で入ってくるような子を好きになったんだ?それとも、もう荒療治しか道はなかったのかい?
「全く、馬鹿みたいだ」
「不破君?」
「三郎なら屋上にいるから、」
だから早く、あいつを救ってやってね。僕の顔ぐらいなら喜んで差し出すよ。
―――――
不破君、と♀竹谷に言わせたかっただけです。
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