「第三回エイリアキャプテン会議を始めるよ!」
グランが手をぱんぱん、と二回叩くと、それまで自分勝手にしていたほかのキャプテンたちが一斉にグランのほうを向く。
「今日の議題はこれ!富士の樹海についてだ。」
富士の樹海はスカウトしてくれるのを待っている者たちの溜まり場になっているが、エイリアの修行場にもなっている。
「富士の樹海の方々からエイリアに苦情が入った!」
「あぁ?別に練習してるだけじゃねーか。」
すかさずバーンが口を挟む。
それも無理はない。
彼らは純粋に(超次元)サッカーの練習をしているだけなのだから。
上を目指し、蹴落とされないように。
「…毎日巨大な火の玉や氷、流星が飛んできているんだぞ?」
はぁ、とため息をつきながらデザームは最もな意見を言う。
その影からレーゼが「そーだ!そーだ!」と合いの手を入れた。
イプシロンは兎も角、top3のチームとの練習相手にされ、心も体もボロボロに近づいているせいだろうか。
「それで、その苦情を言った者は?」
「……。吹き矢を飛ばして帰っていったよ。」
ナニソレ怖い。と思ったのもつかの間、グランはいきなり壁を叩いて、
「人から文句を言われるようじゃ強くなれないっ!」
と吐き捨てて部屋を飛び出していった。
「アイツ…ついに頭イっちまったのか?」
* * *
暫くして、何時ものように練習試合をしようとしてぞろぞろとメンバーか集まってくる。
今日は、プロミネンスとダイヤモンドダスト。
富士の樹海は今日も荒れ模様のようです……
と、ジェミニ、イプシロンメンバーが思っていたその時、
「とぅっ!」
グランが何処からともなく現れた。
「皆、今日から俺が用意した所で練習するよ!」
そう言って、手元にあるボタンを押すと、ものすごい音と共に地面が割れ、ガラス張りの壁に覆われたサッカーコートが出てきた。
【吉良の技術は宇宙一!】
(え、ナニコレ。)
(この短時間で…)
(吉良に出来ないことはないのさっ)