掃除機の音が耳元でする。
ガンガン体に掃除機に当たる。
―――…絶対わざとだろ。
「ねー、ギアッチョー。虐めはダメなんだよー。」
「掃除機かけてもらってるだけましと思いやがれ。」
「…リーダーの命令でしょ?」
「…」
黙ったギアッチョから推測すると、まじでリーダーからの命令だったみたいだね。
んー。
いつもはリーダー直々にきて、メタリカで俺を無理やり起こすのに。
俺は一応ギアッチョの邪魔にならないように上半身を起こした。
「おい、メローネ。」
「んー?」
「…今日はリーダーは任務だ。」
と、いうことは今日の飯は外食か出前かプロシュートの手作りか。
そんなことを考えていると、掃除機をかけ終わったらしく、ギアッチョが蹴ってきた。
「せめてこれぐらい運びやがれ。」
「あいあいさー。」
下の階へと降りる。リビングにある三人がけのソファーにはプロシュート、ソルベ、ジェラートが座っていた。
ジェラートが持ってきたんだろうけど、お菓子を三人でつまみつつ、談笑しながら。
「ねぇさー、プロシュート。」
「んぁー?なんだよ。」
「飯はプロシュートが作るのか?」
「んなわけあるか。」
プロシュートは此方を見ずに階段から降りてきたギアッチョを指し、またお菓子を摘まむ。
【今日は、】
(冷やし中華かなぁ。)
(んなわけあるか。今は冬だぜ?)
(だって作る人が…)
(………そうかもな。)