剣城京介夢「眠くて仕方がないときは誰にでもあるはずだ」
 2012.05.21 Mon 22:44

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夢主がやたら眠くて仕方がない話です。

眠気がひどいときの感覚や気持ちなどは、実録なので、理解できない点や科学的根拠などは、わかりませんご注意ください。

名前変換はなしです。
































 最近やけに眠くて仕方がないことが多い。原因はよくわからなかったけど、何をしても眠いのだ。好きなことをしていても、真剣な場面でも眠気がひどくて、緊張感がないみたいだった。


「ミョウジ」

「…………?」

 同じクラスの剣城京介という人物に突然、声をかけられて、彼の方を見た。私の方は、動作が遅れて何だかすべての時間が止まって見えるような感じがするが、それは明らかに錯覚であった。止まっているのは自分の方だ。自覚があるだけましなきがするが、そんなことを考えるよりも、もっと大事なことがある。


「(……眠い)」

「さっきからフラフラしてるぞ」


 そういえば彼とは、初めて会話をした気がする。
 確か……サッカー部で、一年なのにエースストライカーの10番の背番号背負ってる凄い奴。もちろん運動神経がいいから、体育では遠目から見ても、凄い奴だと思うほどあれ。制服が違う。黄色より赤が似合う人。実はかなり手先が器用。あんまりクラスの人とは話さない。格好いい。くるくる。いや、くるくるというより、くるりんって感じ。


「……?」

「大丈夫か?」

「なーに?」


 首を傾げた。
 何だかホワホワする感覚にまるで酔っていると言った方がいいくらい、揺れている感じがしている。


「さっきから授業も、さっきの会話だって上の空だろ?保健室行くぞ」

「?」


 何を言い出すかと思えば、彼はそんなことを心配しているのか。案外優しい奴だな。多分、天馬と同じくらいいい奴だ。


「さっき、移動教室の途中で階段踏み外しそうになってただろ。お前、危なく怪我するところで…、そういうのオレは見たくねぇんだよ…」

「?」


 何を言っているのか、言葉としては理解できてはいたが、頭と体の間で情報が止まっているような…頭も体も、眠たくて彼に追いつけない。
 私の手を掴んで先生に声をかけて、彼が教室のドアを開けた頃にようやくさっきの言葉が私の心に届いた。


「(あぁ、そうか…彼は私を心配してくれているんだ)」

「……歩けるか?」

「……う、ん……大…丈、夫…」


 まるで時差みたいに、言葉が途切れ途切れになった。というより、これではロボットか昔のおもちゃみたいだ。それを言い切るまでちゃんと聞いてくれる彼も、相当優しい、結構できた奴だ。
 私の返事に、「大丈夫じゃなさそうだな」と言って、抱っこしてくれたことに気がついたのは、保健室着いてベッドに降ろされる頃になってだった。



(20120510)

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