大輔と受験合格
2012.04.04 Wed 00:47
※中3設定
でじもん・大輔夢
.
大輔と進学先が同じになった。
私と同じ単願推薦で一発合格。まだ秋になったばかりなのに、クラスでは大輔と私だけが進学が決まっていた。もちろん高校からの課題はあったけど、私たちは他のクラスメイト達よりもすごいのんびりしている。ほとんどは近くの高校を受験するのに、私と大輔は違った。進学先は、少し離れた学校になる。私は大学進学とか、イギリス留学がしたかったからこの学校にした。でも大輔はどうなのだろうか。
私はてっきりサッカーが強い学校に行くものだと思っていたのに…。
「まさか大輔が私と同じ学校を受験するなんて、びっくり。」
「どうしてそう思うんだ?」
「だって、私の学校はサッカーそんなに強くないよ?それに私立の…それも、進学校じゃん…」
「いいだろ別に。オレが進学したい学校なんだから」
「まぁ、そうですけど…」
「お前はどうしてこの学校なんだ?」
「私は進学に有利なのと、あとはイギリス留学だね。あれが一番期待してるんだ。英語は苦手だけど、学校の説明会で話を聞いたら、行ってみたくてさー」
「へぇ、あんなに『英語嫌い!』とか言ってたのになぁ」
「もう、その話はやめてって……私、高校からは『英語好き!』に変わるの」
「ま、がんばろうぜ。」
「う、うん…」
「どうかしたのか?」
「大輔はさ、」
「?」
「大輔は……あぁ、やっぱりなし!なんでもない。」
「なんだよ、話せって。気になるだろ?」
「…じゃあ話すけど、その……イギリスに行くまで、大輔が私に英語教えてくれないかなーってさ。ダメかな…?」
「いいぜ」
「ほ、本当?」
「あぁ」
「…じゃあお願いするよ。(どうして、同じ学校受験したの、って聞きたかったけど…やっぱり聞けないや。)」
嘘でもいいから『お前と同じ学校がよかったから』と言ってほしいけど。でも、大輔は嘘をつけないから…きっと、本当のことを言ってくれる。だから、怖くて聞けないや…臆病で、卑怯でごめんね。でも、あともう少しだけ…。
夢を見させて欲しいな。
20120318
.
←
→