※『黒猫と天使の午後』の六人で新境地!2
 2012.12.31
前回やったバトンの続きです。







文化祭で(4黒月雷歌)と(6鉄)はクラスの売り上げに貢献するために後輩(3南結菜)とたまたまいた(1西丈和樹)先生を脅して買わせた。


西丈「外部の人間が容易く麻上学園に侵入できるイベント、文化祭……。生徒たちの身に何かあってからでは遅い。愛用の竹箒をお供に掃除がてら見回りでもするとしましょうか」

結菜「い、嫌ぁぁぁーーー!」

西丈「なっ……すぐ近くから生徒の悲鳴!? どうかしましたかッ!」

鉄「む? 血相を変えて突進してくるからイノシシかと思ったが、ニシジョウではないか」

雷歌「へいらっしゃい!」

西丈「鉄君と黒月さんじゃないですか。今、この辺りから生徒の悲鳴が聞こえたのですが……」

鉄「悲鳴? ……ああ。この我輩が指揮を執り、下僕共に作らせた“特製マフィン”が感涙するほど美味かったのであろう。ユウナが抑えきれぬ感動の叫びを――」

西丈「南さん、真っ青な顔で倒れてますけど……一体何をしたんです?」

雷歌「だから、マフィンを食べさせてあげたんだってば。西丈先生も買って行ってくれよ〜」

西丈「マフィン? それにしては随分とペッタンコですねぇ……。これ、焼いてあるんですか?」

鉄「焼いてあるも何も、裏でたった今焼き上げたばかりの出来立てホヤホヤなのだぞ! 貴様も男の端くれならば躊躇などせず、豪快に財布の紐を引き千切らんか!」

西丈「ひ、引き千切るって……いやまぁ、普通に買いますけど」

雷歌「そうそう。せっかく恋歌ちゃんが丹精込めて作ったマフィンなんだから、彼氏候補その一として食べておかなきゃ駄目っしょ!」

西丈「え゛っ!? そ、空色さんが作ったんですか……これ……ぁ、ああ、でも確か鉄君が指揮を執ったんですよね? ね?」

鉄「如何にも。この我輩が『作れ!』と命令し、レンカが『狂おしいほどに可愛い鉄様の為ならば喜んで身を粉にして働きます!』と答え、その後は好きなようにやらせてやったのだ」

西丈「それは指揮じゃなくて、ただの指示です! ――クソッ、どうすればいい。空色さんの手作りを口にするなんて自殺行為じゃないか。でも、ここで僕がマフィンを購入し、しかもいつもの調子で“空色さんの手作りを食べられるなんて僕は幸せ者です!”と大喜びで噛り付かなければ、二人は僕の愛を疑うだろうな。だって愛しの空色さんの手作り、これほど明らかな好感度上昇イベントが発生しているのに目の前で見逃す馬鹿が世界広しと言えど何処にいるだろう、いるわけない! だ、だがっ……僕には時雨と交わした約束が、まだ……っこんな場所で死ぬわけには……っ!」

鉄「さっきから何をブツブツ呟いておるのだ茶髪。いいからとっとと代金を寄越さぬか」

恋歌「あのさ鉄、どんなに重曹加えても生地が膨らまないんだけど――。あっ、西丈さん」

西丈「空色さん!? あぁっ! 制服にエプロンの合わせ技だなんて、卑怯じゃないですか……」

恋歌「色々言いたいですが、とりあえずその鼻血を拭いてください気色悪い。……私が作ったマフィン、買って下さったんですね。ありがとうございます」

西丈「えっ? まぁ、一応……」

恋歌「まだまだ料理は下手ですけど、私なりに一生懸命作ってみました。だから、その……西丈さんに食べて貰えて、嬉しいです」

西丈「(胸に天使の矢が突き刺さる音)……はい。僕も空色さんの手作りが食べられて、とっても嬉しいですッ!……ゴフッ」

鉄「ああっ、ニシジョウが気絶したぞ! 店の前で倒れられては商売にならぬではないか。ユウナと一緒に早く裏に隠すのだ!」





(2空色恋歌)は痴漢にあったことに気が付かなかった。


鉄「レンカが痴漢に遭うなど有り得ん」

西丈「随分はっきりと言い切るんですね。空色さんは控えめに言っても直視したら悶絶するレベルの美麗さなので、むしろ痴漢に狙われそうな気がしますが……」

鉄「貴様は小娘を何だと思っておるのだ。右手一本で大の男を殴り飛ばし、蹴りで家の壁に穴を空けるムッキムキの怪力女なのだぞ」

西丈「貴方の方こそ空色さんを何だと思ってるんですか!」

鉄「それに、危険なのはレンカだけではないぞ。むしろ貴様の方が痴漢にとっては脅威になるやもしれん」

西丈「僕が脅威だなんて、そんなことあるわけないじゃないですか」


鉄「……。仮に、レンカが痴漢に遭ったとして、ニシジョウはその犯人を絶対に許さんであろう?」

西丈「逃亡する隙を与えずに闇討ちします。もし逃亡されたとしても、その忌まわしき両腕を切り落とし無様に泣いて許しを請いながらのた打ち回る姿を見るまで追いかけますけど」

鉄「うむ。ミジンコ程の脳味噌があるならば、痴漢など絶対にせぬことだな……」




(5新城信二)は(4黒月雷歌)のことを正義のヒーローだと信じている。


新城「あのさ、雷歌。お前って普段は可愛い子見つけると片っ端からコスプレさせようとする変態だけどさ、本当はすっごく良い奴だよな」

雷歌「なっ、何をいきなり……!」

新城「俺って、昔のことはぼんやりとしか覚えてないけど、そんな中でも困っている時はいつも雷歌が助けてくれていたような気がするんだ。俺にとって雷歌は“正義のヒーロー”だよな」

雷歌「信仁、本当にどうした。とろ〜りプリンの食べ過ぎで頭もプリンになっちまったか?」

新城「せ、せっかくキャラでもねーこと言ってやってんだから、もう少し言うことあるだろうが! その、たまには女子らしく恥じらってみるとかだな……」

雷歌「あたしが? ヘッ、それこそキャラじゃねーし!」

新城「鼻で笑われた! んだよ、センチメンタルになって損した気分だぜ。まったく」

雷歌「せっかくの青春時代だぜ? センチメンタルに生きるにはまだ早い。それに、ようやく掴んだ日常だ。信仁が望むように、毎日ハチャメチャに騒いで楽しめばいいさ。……礼なんてもんは、全てが終わってからで構わないよ」




(6鉄)は(2空色恋歌)のことを鈴カステラの次に気に入っていた。


恋歌「たまにはこうして、二人きりでのんびり過ごす午後もいいよね」

鉄「暇なだけではないか」

恋歌「あら。暇はとっても大切よ、鉄。暇という時間を“暇として”有効活用しなくてはならないわ」

鉄「訳が、分からんのだが……」

恋歌「つまり、息抜きもしようって話よ」

鉄「息抜き、か。フン、毎日有り余る若さでエネルギッシュに燃える我輩の煌々たる魂に暇など不要なのだ! そんなことを言うとは、随分と老いたものだな小娘よ」

恋歌「花の女子高生ですけどね。……でも、そっか。私は鉄と一緒なら暇でも幸せなんだけどね。鉄はジャックたちと遊んでいる時の方が幸せなのかしら」

鉄「慈愛に満ち溢れたこの我輩にとって、愚民共と戯れてやる時間はどれも幸せに感じてやっておるぞ。平伏して感謝するがよい。ま、まぁ……小娘は、ジャックたちとは違うからな。あまり一概に感情を述べることはできんのだが」

恋歌「ふーん?」

鉄「その、なんだ、我輩にとってはどちらも大切な時間であることに間違いはないのだ。だが、レンカはかぞ……我輩の下僕であるからなっ! か、勘違いするでないぞ。決して小娘にだけ特別な感情を持ってるわけじゃないのだからなっ! 言うなれば、カステラの次くらいに好いてやっておるのだ、どうだ身に余る栄誉に感涙するであろう!」

恋歌「カステラの次って……鉄ってそんなにカステラ好きだったっけ?」




(4黒月雷歌)は(1西丈和樹)を穴あきおたまぐらいの利用価値がないと思っている。


西丈「いきなり酷い言われ様ですね」

雷歌「そりゃそうだろ。だって、あたしと西丈先生ってあんまり接点ないしさ。三年生の授業も受け持ってないだろ? だから、個人的な意見として西丈先生は穴あきおたまだなーって思ってんだよ」

西丈「確かに接点はほとんどありませんよね。ですが、同じ学園にいるんですから僕の姿を見たことくらいあるでしょう? 自分から言うのも何ですが、僕は結構ボランティア精神に溢れる活動をしているじゃないですか。その大変失礼な個人的意見はどこから出てきたのか不思議ですよ」

雷歌「んー。あたしの中の西丈先生って恋歌ちゃんのストーキングしてるイメージしかないんだよな……」

西丈「すとッ――ストーキング!? 勘違いしないでください。僕は決して卑しい気持ちから空色さんの後ろ姿を追い駆けているわけではないんです。これも全て空色さんの為ですから!」

雷歌「じゃあ、その袖口に隠し持ってる携帯電話も恋歌ちゃんの為か?」

西丈「あ、いえ、これは僕の個人的な日課の為に……」

雷歌「やっぱり西丈先生は穴あきおたまだな」

西丈「酷いです!」




(3南結菜)と(5新城信二)は何だかんだで仲がいいのかもしれない。


新城「今日も生徒会は忙しいなぁ」

結菜「そう、ですね……」

鉄「ユウナ。言いたいことはちゃんと言った方が良いのだぞ。……おい、赤毛猿。このようなか弱い少女に仕事を押し付け、悠々と漫画を広げておるのは愚民共の頂点に君臨する者として相応しい姿では無いと思うぞ」

結菜「きっと新城先輩には先輩なりの考えがあって漫画を読んでるんだから、邪魔しちゃ悪いよ」

鉄「だからといって、ユウナばかり働くのでは不公平ではないか。以前から思っておったのだが、ユウナと赤毛猿は仲が良いのか?」

新城「生徒会の仲間なんだから、仲が良くないわけがないだろ。あと、俺には新城信仁っていう立派な名前があるんだぞって何度も言ってるじゃん」

鉄「フン。貴様など赤毛猿で十分なのだ! ……ユウナはこんな奴と一緒にいて、辛く無いのか?」

結菜「まさか、辛いなんて思うはず無いよ。だって、私は先輩のことを……」

鉄「赤毛猿のことを?」

結菜「えっと、あの……尊敬してるから! 一緒にいるとすごく楽しいし、毎日新鮮なことばかりで、むしろ私の方が先輩の足手まといになっちゃうんじゃないかって心配で」

新城「……ごめん。俺、もっと真面目に仕事するぜ……!」

結菜「えっ。新城先輩、あの、無理はしないでくださいね。私も頑張りますから」

鉄「ふむ。人間のような下等生物の思考は、よくわからんな……」




いかがでしたか?
前半は実話ですww
感想やリクエストなどがありましたどうぞ

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前回のをやりたい方は『ではでは(^-^)/』で調べると出てきます。


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