リクエスト作品:初日の出
2013.01.02 Wed 17:28
新しい年を迎え、今年初の日の出を見るために、高野真奈美は兄 高野健と一緒に初詣に来ていた。
考えることはみんな同じらしく、考えられないぐらいの人で神社周辺が埋め尽くされていた。
「真奈美、人が多いからはぐれるなよ。なんだったら手をつなごうか?」
「嫌よ!大体健兄は、手をつなぎたいだけでしょ」
新しい年を迎えてもこのシスコンぷりは衰えることを知らず、満面の笑みで手を差し出す健に対し、プイっと顔をそむける真奈美。
と、その時、周りを見ていなかった真奈美に前から来ていた人とぶつかりそうになり、慌てて健が真奈美を引き寄せる。
いきなり強い力で引っ張られた真奈美はそのまま、健の腕の中に。
間一髪のところで接触事故を防いだ。
「ちょっと!健兄!」
健の腕の中から素早く離れる、真奈美。
だが、右手は健につかまってしまった。
「ちょっと!手はつながないって言ったでしょ!!」
「ダメだよ。この手は離せない。」
「なんでよ」
「さっき人とぶつかりそうになってた。俺が気がつかなかったら、真奈美飛ばされてるぞ。この人だかりだ。一度倒れたら2次災害が起こること間違いないって!」
「…2次災害ぃ?」
「そうだよ。もし、俺の真奈美に―」
「はいはい。わかりましたよ!」
反論しても無駄だと思った真奈美は、そのまま自分の右手を健に預けた。
確かに健のいっていることもわかってはいた。
先程。
視界の端でとらえた、前から来ていた人。
ぶつかるっと思った瞬間、健が助けてくれた。
手をつなぐのは不本意だが、ここは言うことを聞くことにした。
3…2…1。
「ほらー!真奈美見て!!朝日だよ!!」
「わかったから、静かにしてっ!」
今年初めての朝日が昇り、テンションが上がる健。
一瞬注目を浴びたが、朝日が徐々に上がっていく様を見逃さないよう辺りの視線はすぐ朝日に戻る。
真奈美はこの幻想的な風景を他の人にも教えてあげようと、携帯を取り出し写メをとる。
その様子を見ていた健がその写メに入り込む。
「真奈美、俺も一緒にとって〜」
「いいよ。はいチーズ!」
パシャッ
「うん!よく取れた」
「どれどれ?」
真奈美の携帯を覗き込む健。
朝日と一緒に映る姿を見て、自分の写真写りがいいことに納得する。
その写真を誰かに送ろうとしている真奈美を見て、健が口を開く。
「なぁ真奈美。その写真誰に送るんだ?」
「友達だよ。健兄がうつってるこの写真は今健兄の携帯に送ったよ。」
すると健の携帯の着信音が鳴り、メールが受信されていた。
メールを開くと、先ほど見た写真と同じ写真がそこにあった。
画面を閉じようとした時、メールに本文がついているように思えた健は、十字キーを下にスクロールさせた。
そこにあった本文。
『今年もよろしくね』
その本文を見た健は嬉しくなり、
「真奈美!」
気づいたら叫んでいた。
突然大きい声で呼ばれた真奈美は、驚きながら健を見る。
「なっ何?…ってか、大きい声出さないでよ!」
「ごっごめん。だってこんなメール貰ったら…」
「えっ?ただの写メールでしょ。」
「違うよ。俺からも言わせてくれ。
―――今年もよろしくお願いします
――――――――――――――――――――――
はい。ということで、お正月ネタで書かせて頂きました。
リア友から、「キリ番を踏みました。お正月ネタで何かお願いします」
っと言われたので、バーチャルで書かせて頂きました。
何番hit かわかりませんが(汗)
リクエストありがとうございました^^
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